対イラン開戦論の危うい見通し
War with Iran Would Be Worse Than Iraq
では、トランプ自身はこの危険なゲームで何を得たいのか。それがよく分からない。そもそもイランとの核合意を一方的に破棄した理由も(あれが天敵オバマの功績だったという事情を除けば)定かでない。
このまま緊張が高まれば、行き着く先は戦争だ。それを望まないなら、緊張をほぐす努力が必要だ。トランプの周辺には、それをやれる人間がいない。対イラン外交の経験者は、この政権に一人もいない。
トランプ自身が乗り出すしかないが、それはそれで目を覆いたい事態だ。
<本誌2019年05月28日号掲載>
※5月28日号(5月21日発売)は「ニュースを読み解く哲学超入門」特集。フーコー×監視社会、アーレント×SNS、ヘーゲル×米中対立、J.S.ミル×移民――。AIもビッグデータも解答不能な難問を、あの哲学者ならこう考える。内田樹、萱野稔人、仲正昌樹、清水真木といった気鋭の専門家が執筆。『武器になる哲学』著者、山口周によるブックガイド「ビジネスに効く新『知の古典』」も収録した。
© 2019, Slate

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