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中国に懐柔された二階幹事長──「一帯一路」に呑みこまれる日本

2019年4月26日(金)17時00分
遠藤誉(筑波大学名誉教授、理学博士)

このような、その場限りの、矛盾に満ちた「変身」を重ねても、すでに遅い。安倍首相の特使として訪中した二階氏は、「安倍首相の代わりに」25日から北京で開催されている「第二回一帯一路国際協力サミット・フォーラム」に参加するだけでなく、「中国とのこの件(一帯一路)に関する協力を強化したい」と習近平に述べている。会談では「習近平主席が提案なさった一帯一路は巨大なポテンシャルを持った壮大な構想で、中国がこの構想を通して世界と地域に重要な貢献をしていることを、日本は積極的に高く評価している」とも言っている(中国語を日本語訳した)。

それだけではない。習近平との会談後、二階氏は記者団に「今後も互いに協力し合って(一帯一路を)進めていく。米国の顔色をうかがって日中の問題を考えていくものではない」と強調したとのこと(産経新聞など)。

同様の言葉は、北京に行く直前の4月23日の記者会見でも発している。

自民党の<役員連絡会後 二階幹事長記者会見>をご覧いただきたい。

毎日新聞の記者の「明日から幹事長は訪中されます。中国の一帯一路については、アメリカの対応に配慮して、日本政府も閣僚の派遣を見送っております。その中で幹事長は訪中の意義についてどうお考えですか」という質問に対して二階氏は「これはお隣の国ですし、大変日本にとっては重要な国であります。アメリカの御機嫌をお伺いしながら日中関係をやって行くのではありません。日本は日本として独自の考えで中国と対応をしていく、こういうことです。アメリカから特別の意見があったら承りますが、それに従うつもりは無いです」と回答しているのである。

凄いではないか。

日本は米中のどちら側に立って外交を進めるつもりなのか。

安倍首相は早くから「一帯一路への協力」を表明

二階氏が最初に安倍首相の「一帯一路に協力する意思を示した親書」を携えて習近平に渡したのは2017年5月のことだった。

事実、安倍首相の一帯一路に関する協力表明は、その直後から始まっている。経緯を見てみよう。

1.2017年6月5日、東京都内で開催された国際交流会議「アジアの未来」の夕食会で講演し、中国の巨大経済圏「一帯一路」構想に関して、条件が揃えば日本も協力していきたいと述べた(詳細は2017年6月7日付けコラム<安倍首相、一帯一路協力表明――中国、高笑い>)。

2.2017年11月13日、ASEAN関連首脳会議出席のためフィリピン・マニラを訪問中の安倍首相は、李克強首相との会談の後の記者会見で「第三国でも日中のビジネスを展開し、一帯一路を含め、両国の地域や世界の安定と繁栄に対する貢献の在り方を議論していきたい」と述べた。

3.2017年12月4日、中日の経済界が東京都内で開いた会合で、「(一帯一路には)大いに協力できる」と述べた。アジアにおけるインフラ開発などの協力を検討しているとした。インド太平洋戦略を前提とするとしながらも、実際にはこの辺りからそれを放棄し、一帯一路へとシフトしている。

4.2018年5月9日、来日した李克強首相との会談で、「一帯一路」を念頭に、「日中の企業が第三国で共同事業を進めるための官民協議体を設立ことで一致した」と安倍首相は述べた。

5.2018年10月26日、習近平との会談で、一帯一路に関して「中国との協力を強化する」と述べた。

2019年3月の参議院予算委員会で「四つの条件を満たさないと(一帯一路に)協力できない」ようなことを今さら国内向けに言っても、これも、もう遅いのである。

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