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エチオピア航空の737MAX墜落機、失速防止装置がたびたび作動

2019年4月4日(木)10時57分

エチオピア航空のボーイング737MAX機が3月10日に墜落した事故で、機首を自動的に下げる失速防止装置(MCAS)が何度も作動したことが分かった。アディスアベバ近郊の同機墜落事故現場で3月撮影撮影されたエンジン部品(2019年 ロイター/Tiksa Negeri)

エチオピア航空のボーイング737MAX機が3月10日に墜落した事故で、機首を自動的に下げる失速防止装置(MCAS)が何度も作動したことが分かった。2人の関係筋がロイターに話した。

関係筋によると、MCASが最大4回作動した可能性がある。操縦士がMCASを再作動したかどうかは不明だが、調査当局は人的介入なしで装置が再作動した可能性を調べているという。

事故を受け、737MAX機は世界各国で運航停止となったほか、新型機の認証手続きが精査されている。当局は数日以内に暫定報告を出す予定だ。

調査結果の影響は大きいとみられる。737MAX機はボーイングで最も売れている航空機で、5000機近く受注している。また、エチオピア航空は事業拡大を進めている最中だ。一方、他の顧客や被害者の家族は事態の解明を求めており、賠償金を求める可能性もある。

737MAX機が再び運航するかどうかは、ボーイングの設計が事故にどう関係したかに関わってくる。調査当局は航空会社の業務状況や操縦士の操作、規制なども検証している。

安全性に関する専門家は、調査は終了に程遠いとし、ほとんどの航空機事故は人的、技術的要因が絡み合っていると指摘する。

調査関係者のコメントは得られなかった。

[シアトル/パリ/アディスアベバ 3日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

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