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ビットコイン復活の鍵は危機に瀕する新興市場

BITCOIN THE SAVIOUR

2019年1月30日(水)16時30分
チャン・ドゥー(仮想通貨のベンチャー資本家)

そういう努力を重ねていけば、業者側でも消費者のニーズに関する理解が進み、仮想通貨をより使いやすくするためのツールも開発できるだろう。

例えばダッシュは昨年11月、ベネズエラで携帯電話のSNSで仮想通貨を取引できる新サービス「ダッシュ・テキスト」を開始した。結果、隣国コロンビアでもダッシュの利用者が増えた(同国に逃げ込んだ多くのベネズエラ人の影響だ)。

ビットコインにとっても、新興諸国での仮想通貨普及は追い風となるはずだ。従来、ビットコインの価格上昇はもっぱら投機的な動きによるものだったが、今度は実需に裏付けされた(つまり健全で持続可能な)価格上昇が期待できる。

ビットコインにとって、昨年は最悪の年だったかもしれない。しかし役立たずの法定通貨に幻滅した新興諸国の人々には、仮想通貨の可能性に懸ける覚悟がある。このチャンスを生かせば、今年はビットコインの復活元年になり得る。

<本誌2018年01月29日号掲載>

※2019年1月29日号(1月22日発売)は「世界はこう見る:日韓不信」特集。徴用工、慰安婦、旭日旗、レーダー照射......。「互いを利してこそ日韓の国力は強まる」という元CIA諜報員の提言から、両国をよく知る在日韓国人の政治学者による分析、韓国人専門家がインタビューで語った問題解決の糸口、対立悪化に対する中国の本音まで、果てしなく争う日韓関係への「処方箋」を探る。

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