最新記事

マレーシア

マレーシア国王、ロシア美女へ愛を捧げ電撃退位

2019年1月8日(火)21時35分
大塚智彦(PanAsiaNews)


国王の突然の退位を伝えるマレーシアメディア The Star Online / YouTube

入り乱れる真偽不明のネット情報

ムハマド5世の国王任期途中の退位という異例の事態を受けて、マレーシア国内では賛否両論が渦巻いているが、ムハマド5世と元ミス・ロシアのオクサーナさんの結婚に関してこれまでところ公式の発表はない。

1月4日に会見したマハティール首相もその辺の事情を理解した上で「何も聞いていないのだから、何も話しはしない」と国王退位には直接触れず、「(結婚に関しては)公式には確認していない」との立場を貫いた。

インターネット上ではオクサーナさんとみられる女性の下着姿やイスラム教徒の女性が頭部を覆うヒジャブを着用した写真などがアップされているが、真偽は判然としていない。

またムハマド5世に関しても「かつて、タイ南部パッタニー県のタイ人女性と結婚して、その後ほどなくして離婚した」などの未確認情報も流れている。

ムハマド5世は、今回の異例ともいえる在任中の退位について王室当局に書簡で伝え、「マレーシアの統治に関して協力をしてくれたマハティール首相らに対する謝意」を表明しているという。

そのうえで国王としてまたマレーシア国軍の最高司令官として職務をまっとうすることができたとして「今後もマレーシアの統一維持や平和と調和が維持されることを望む」との気持ちを表したという。

マレーシアでは国王が年齢差のある外国人女性と結婚することへの批判も少なくなく、こうした世論に配慮してムハマド5世自身が「国王の退位」を決断したものとみられている。退位したムハマド5世は今後、故郷のクランタン州に戻り、同州のスルタンとして州政府とともに職務を再開する予定といわれている。


otsuka-profile.jpg[執筆者]
大塚智彦(ジャーナリスト)
PanAsiaNews所属 1957年東京生まれ。国学院大学文学部史学科卒、米ジョージワシントン大学大学院宗教学科中退。1984年毎日新聞社入社、長野支局、東京外信部防衛庁担当などを経てジャカルタ支局長。2000年産経新聞社入社、シンガポール支局長、社会部防衛省担当などを歴任。2014年からPan Asia News所属のフリーランス記者として東南アジアをフィールドに取材活動を続ける。著書に「アジアの中の自衛隊」(東洋経済新報社)、「民主国家への道、ジャカルタ報道2000日」(小学館)など

※1月15日 記事の内容、一部修正いたしました(ニューズウィーク日本版ウェブ編集部)

ニューズウィーク日本版 脳寿命を延ばす20の習慣
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年10月28日号(10月21日発売)は「脳寿命を延ばす20の習慣」特集。高齢者医療専門家・和田秀樹医師が説く、脳の健康を保ち認知症を予防する日々の行動と心がけ

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トルコの利下げ予想縮小、物価見通しは上方修正=JP

ワールド

米金融大手、アルゼンチン200億ドル支援で担保求め

ワールド

高市首相を衆院選出、初の女性宰相 維新との連立政権

ビジネス

米地銀決算に警戒視線集まる、信用リスク巡る不安から
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    TWICEがデビュー10周年 新作で再認識する揺るぎない…
  • 7
    米軍、B-1B爆撃機4機を日本に展開──中国・ロシア・北…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 9
    若者は「プーチンの死」を願う?...「白鳥よ踊れ」ロ…
  • 10
    【インタビュー】参政党・神谷代表が「必ず起こる」…
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 3
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 6
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 7
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 8
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 9
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 10
    「心の知能指数(EQ)」とは何か...「EQが高い人」に…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中