最新記事

ブレグジット

EU首席交渉官「ブレグジット交渉、来週合意の目処付けたい」

2018年10月11日(木)09時05分

 10月10日、英国の欧州連合離脱交渉について、EUのバルニエ首席交渉官は、来週の首脳会議での合意が「手の届くところにある」と述べた(2018年 ロイター/YVES HERMAN)

英国の欧州連合(EU)離脱交渉について、EUのバルニエ首席交渉官は10日、来週の首脳会議で合意の目処を付けたいとの考えを示した。アイルランド国境問題に関しては、英国が税関検査を受け入れる必要があると強調した。

バルニエ氏は欧州議会で企業幹部らを前にスピーチし「協議は今週、昼夜を問わず集中的に行われている。最後まで話し合いを続けた場合、17日に合意が手に届く段階にもって行くことを目指す」と述べた。

バルニエ氏は協定が80─85%完成しているとする一方、EU加盟国であるアイルランドと英領北アイルランドの国境管理問題などの解決がなお必要だと述べた。

国境を越えるモノの移動の検査について「可能な限り簡素な方法で」実施するよう対策を取っていると述べた。具体的には、フェリーや港湾、また生産地の工場などでの検査を挙げたが、動物の検疫や食品の安全に関する検査は国境で行われるべきだとした。

EU各国は交渉経過について、12日夕の大使級会合で説明を受ける予定。関係各国は週末も協議を継続し、週明け15日にも進展が見られることを期待している。EU首脳は17日の会議で「決定的な進展」を発表し、11月のサミット再開催で合意したい構えだ。

バルニエ氏は、合意できなかった場合の代償は非常に高く、それは英国だけでなく、自動車などEUの一部産業にとっても同様だと指摘。「それゆえ、合意できなかった場合に備える責任があるとしても、それはわれわれにとって望ましいシナリオでは決してない」と強調した。



[ブリュッセル 10日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 英語で学ぶ国際ニュース超入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年5月6日/13日号(4月30日発売)は「英語で学ぶ 国際ニュース超入門」特集。トランプ2.0/関税大戦争/ウクライナ和平/中国・台湾有事/北朝鮮/韓国新大統領……etc.

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ゲイツ氏、45年までにほぼ全資産2000億ドル寄付

ビジネス

三菱重の今期、ガスタービンや防衛好調で最高益に 受

ワールド

ガザ南部ラファ近郊で「激戦」とハマス、イスラエル兵

ワールド

トランプ政権、南ア白人の難民受け入れへ 来週にも=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 2
    ついに発見! シルクロードを結んだ「天空の都市」..最新技術で分かった「驚くべき姿」とは?
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 5
    骨は本物かニセモノか?...探検家コロンブスの「遺骨…
  • 6
    中高年になったら2種類の趣味を持っておこう...経営…
  • 7
    恥ずかしい失敗...「とんでもない服の着方」で外出し…
  • 8
    教皇選挙(コンクラーベ)で注目...「漁師の指輪」と…
  • 9
    韓国が「よく分からない国」になった理由...ダイナミ…
  • 10
    あのアメリカで「車を持たない」選択がトレンドに …
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 4
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 7
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 8
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 9
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 10
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中