最新記事

ドイツ

独メルケル政権、シリア軍事行動でまた亀裂 連立のSPDは強く反対

2018年9月11日(火)10時01分

9月10日、ドイツ政府は、シリアへ軍を派遣する可能性について同盟国と協議していると明らかにした。写真はメルケル首相。マケドニアの首都スコピエで8日撮影(2018年 ロイター/Ognen Teofilovski)

ドイツ政府は10日、シリアへ軍を派遣する可能性について同盟国と協議していると明らかにした。これを受け、連立与党の社会民主党(SPD)からは強い批判が上がり、メルケル首相率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)との連立政権に新たな亀裂が生じている。

ドイツはナチスの歴史から、国外での軍事活動はなお敏感な問題で、国内で支持が得られにくいテーマでもある。また、空爆などシリアでの軍事活動参加は、シリアを支援するロシアとドイツが対立することを意味する。

独政府のザイベルト報道官は定例記者会見で「決断を下すような状況にはない」と述べた。いかなる決断もまず議会が承認する必要があると付け加えた。

独大衆紙ビルトは、シリア政権が今後、再び化学兵器を使った場合、ドイツ国防省が、米国と英国、フランスとともに軍事行動に出ることについて、さまざまな選択肢を検討していると報道した。

ある関係筋は報道を追認した上で、ドイツが戦闘被害を調査したり空爆のために戦闘機を海外へ送り込む選択肢についてドイツと米国の当局者が前月、協議したと明かした。こうした活動は1990年代に旧ユーゴスラビアで紛争が起きて以来のこととなる。

ビルト紙によると、いかなる戦闘活動についても、参加の是非はメルケル首相が決定する。メルケル氏は4月、シリア政権が前回化学兵器を使用した際、米国とフランス、英国が行ったシリア空爆への参加を拒否した。

SPDのナーレス党首はドイツが軍事作戦に参加することについて、支持することはないと断言。声明で「SPDは議会でも政権内でも、シリアとの戦争に参加することに反対する」とした上で、人道的危機を回避するための外交手段を支持すると述べた。

[ベルリン 10日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 イラン革命防衛隊
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年3月24号(3月17日発売)は「イラン革命防衛隊」特集。イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

バチカン枢機卿、米・イスラエルに停戦求める 異例の

ワールド

イランガス田はイスラエルが攻撃、米・カタール関与せ

ワールド

カタール・エナジー、LNG施設にミサイル攻撃 火災

ビジネス

FRB議長、関税・イラン戦争による物価上昇を警戒 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 2
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 3
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 4
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 5
    モジタバの最高指導者就任は国民への「最大の侮辱」.…
  • 6
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 7
    ガソリン価格はどこまで上がるのか? 専門家が語る…
  • 8
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 9
    観客が撮影...ティモシー・シャラメが「アカデミー賞…
  • 10
    原油高騰よりも米国経済・米株市場の行方を左右する…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 6
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 9
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 10
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中