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まずは世界ランク200位以内 日本電産・永守氏が目指す型破り大学改革

2018年9月7日(金)10時42分

TOEIC650点

もちろん、夢を実現するために、カリキュラムも大幅にてこ入れする。そのひとつが英語学習だ。「卒業しても英語はできない、経営学部を出てもバランスシートも読めない、そんな学生を卒業させてどうするのか」。

カリキュラムの4分の1を英語学習にあて、読み書きよりも、実践的な英会話力の習得に力を入れる。日本電産のネットワークも生かし、世界各国で就業体験ができるプログラムの導入も検討する。「最低、英語能力テストTOEIC650点の人しか卒業させない」。

大学の世界では「実学」教育に対する抵抗感も根強いが、永守会長は「いまは50%以上が大学に行く時代。専門教育をやって、即戦力の人材を育成することが一番大事だ」と意に介さない。「いずれビジネススクール(経営大学院)もつくる」と意欲を示した。

大学改革は教員の強化も欠かせない。新設予定の工学部では「半分程度は企業出身者の教員を集めようと思っている」という。ただ、そこに立ちはだかるのが文部科学省だ。「文科省は教員資格はドクター(博士号)が必要とか、いっぱい言ってくるが、ドクターなんて関係ない。いまは誰でもとれる。これがまた改革の弊害になっていて、それを打破しないといけない」。永守会長は語気を強めた。

欠席学生は不合格

1973年、プレハブ小屋でたった3人で創業した日本電産を一代で売上高2兆円を射程に捉えるまでに育て上げた永守会長。この成功体験とそれを実現した経営力を背景に、「普通の大学ではなく、まったく違う大学をつくる」というのが同氏の目標だ。

その覚悟は、学生にも求められる。「授業に出席しない学生は全員落第させる。来ない学生はクビだ」。実学を重んじ世界に通じる即戦力の育成を最優先する永守氏の意気込みは、大学教育のあり方に一石を投じることになりそうだ。

(志田義寧 山崎牧子 編集:北松克朗)

[京都 7日 ロイター]


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