最新記事

中東

サウジアラビア、国営石油会社の上場中止 サルマン国王が反対

2018年8月28日(火)09時03分

8月27日、関係筋によると、サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコの新規株式公開(IPO)が中止された背景にはサルマン国王の反対があったもようだ。写真は国王が描かれたポスター。リヤド郊外で2月撮影(2018年 ロイター/Faisal Al Nasser)

サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコの新規株式公開(IPO)が中止された背景にはサルマン国王の反対があったもようだ。同国の政府関係者に近い複数の関係筋がロイターに明らかにした。

関係者の1人によると、6月半ばまでのラマダン(断食月)の期間中、国王はアラムコIPOを巡り、王族、銀行関係者、アラムコの元トップなどの石油業界幹部らと会談。その後に、IPO中止を決めた。

会談の参加者は国王に対し、アラムコ上場はサウジアラビアを助けるどころか、打撃を与えると説明。参加者の主な懸念は、上場によってアラムコの詳細な財務情報がすべて公開されることだったという。

複数の関係筋によると、国王は6月下旬、行政機関に書簡を送り、IPOの中止を指示した。関係者の1人は、「国王が『ノー』と言えば、絶対に決定が覆ることはない」とし、国王の決定が最終的なものだったと語った。

ロイターは先週、関係筋の話として、アラムコが国内、海外ともにIPOの中止を決めたと報道。一方、サウジ政府のファリハ・エネルギー相は政府はIPOの実施に引き続きコミットしていると述べ、中止報道を否定した。別の政府高官も、政府は適切な時期でのIPO実施に向けて準備を進めていると語った。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドルが158円台乗せ、日銀の現状維持

ビジネス

米国株式市場=上昇、大型グロース株高い

ビジネス

米PCE価格指数、インフレ率の緩やかな上昇示す 個

ワールド

「トランプ氏と喜んで討議」、バイデン氏が討論会に意
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 6

    大谷選手は被害者だけど「失格」...日本人の弱点は「…

  • 7

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    「性的」批判を一蹴 ローリング・ストーンズMVで妖…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中