最新記事

宇宙旅行

ジェフ・ベゾスは、宇宙でも堅実か? 来年にも宇宙旅行のチケット発売へ

2018年7月23日(月)14時45分
鳥嶋真也

ブルー・オリジンの宇宙旅行用ロケット「ニュー・シェパード」 (C) Blue Origin

<ジェフ・ベゾスの宇宙企業「ブルー・オリジン」が、重要な試験に成功し、来年にも搭乗券の販売を予定している>

実業家ジェフ・ベゾス氏の宇宙企業「ブルー・オリジン」は2018年7月19日(現地時間18日)、開発中のロケット「ニュー・シェパード」の、通算9回目となる試験飛行に成功した。先月には同社幹部が「2019年にも搭乗券の販売を開始したい」と発言するなど、宇宙旅行の実現がいよいよ近づいてきた。

ブルー・オリジンとニュー・シェパード

ブルー・オリジン(Blue Origin)は、Amazon.comの創業者でCEO、またワシントン・ポスト紙のオーナーとしても知られる大富豪ジェフ・ベゾス氏によって立ち上げられた宇宙企業である。

設立は2001年で、イーロン・マスク氏の宇宙企業「スペースX」よりも1年早い。知名度やTwitterのフォロワー数こそスペースXに負けるが、同じくらい高い技術力と、そしてスペースXを超える資金力をもつ有力企業である。

ニュー・シェパード(New Shepard)は同社が開発中のロケットで、高度100kmの宇宙空間まで到達する能力をもつ。

先端には「クルー・モジュール」と呼ばれるカプセル(宇宙船)が搭載されており、最大6人の乗員・乗客を乗せたり、実験・観測装置を積んだりすることができる。

先日打ち上げ実験を行った、インターステラテクノロジズのロケットと同じく、人工衛星を打ち上げる能力はないが、高度100kmといえば十分に宇宙なので、真っ暗な宇宙空間と青い地球を眺めることができる。また、自由落下中の宇宙船の中は微小重力環境(いわゆる無重力状態)になるため、わずか数分間ではあるものの、「宇宙旅行」を楽しむことができる。

また、ロケットも宇宙船も再使用することができ、運用コストの低減が図られている。

BO002a.jpg打ち上げを待つ宇宙旅行用ロケット「ニュー・シェパード」 (C) Blue Origin

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

玉木国民代表「首相務める覚悟ある」、公明の連立離脱

ワールド

ノーベル平和賞、ベネズエラの野党指導者に マリア・

ワールド

イスラエル軍、ガザ一部地域から撤退開始 停戦合意受

ビジネス

アングル:正念場の「高市トレード」、株高機運の継続
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:中国EVと未来戦争
特集:中国EVと未来戦争
2025年10月14日号(10/ 7発売)

バッテリーやセンサーなど電気自動車の技術で今や世界をリードする中国が、戦争でもアメリカに勝つ日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル賞の部門はどれ?
  • 3
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 4
    あなたは何型に当てはまる?「5つの睡眠タイプ」で記…
  • 5
    50代女性の睡眠時間を奪うのは高校生の子どもの弁当…
  • 6
    ウクライナの英雄、ロシアの難敵──アゾフ旅団はなぜ…
  • 7
    史上最大級の航空ミステリー、太平洋上で消息を絶っ…
  • 8
    底知れぬエジプトの「可能性」を日本が引き出す理由─…
  • 9
    いよいよ現実のものになった、AIが人間の雇用を奪う…
  • 10
    米、ガザ戦争などの財政負担が300億ドルを突破──突出…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレクトとは何か? 多い地域はどこか?
  • 3
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最悪」の下落リスク
  • 4
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 5
    赤ちゃんの「耳」に不思議な特徴...写真をSNS投稿す…
  • 6
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 9
    祖母の遺産は「2000体のアレ」だった...強迫的なコレ…
  • 10
    ロシア「影の船団」が動く──拿捕されたタンカーが示…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 7
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 8
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 9
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 10
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中