最新記事

宇宙ベンチャー

インターステラテクノロジズ、ロケット打ち上げに失敗も「次につながる失敗」

2018年7月3日(火)19時30分
鳥嶋真也

「次につながる失敗」

失敗後に行われた記者会見では、まだ調査が始まったばかりで原因は不明なものの、いくつかの情報が明らかにされた。

まずロケットエンジンが燃焼を始め、機体が上昇し始めた直後に、エンジンの燃焼室の圧力が低下。さらにその後、発射から4秒後には完全に圧力がなくなり、エンジンの推力を失ったという。その結果、ロケットは墜落した。

このことから、関係者らはエンジンになんらかの問題が起きたものと推定している。

ただ、他の箇所で発生した問題が引き金となってエンジンに異常が起きた可能性もあるため、エンジンが主原因とは断定できないという。また、問題が設計に由来するものなのか、それとも製造過程(組み立てや品質など)に由来するものなのかも、断定できる情報はまだないとしている。

ちなみに同型のエンジンは、過去に40回ほど地上で燃焼試験を行っているが、こうしたことは起こらなかったという。ただ、同社では過去のデータも改めて精査するという。

また、原因究明にはIST社員のほか、外部の有識者にも協力を求めるとしている。ちなみに同社は、1号機の失敗時にも有志のロケット開発経験者の協力で原因究明を行っている。

ISTの稲川貴大(いながわ・たかひろ)社長は「明確な失敗だが、完全な失敗ではない」と強調。「完全な失敗とは『データが取れない』、『なにも残らない』ものだが、今回はデータは取れており、カメラによる記録も残り、機体の一部も残っている。原因の究明ができるため、次につながる失敗だと捉えている」と、前向きな姿勢を示した。

「現場は前向き。モチベーションは高い」

同社によると、MOMOの3号機を開発、打ち上げるのかなど、今後の計画については「現段階ではまだなにも決めていない」という。

ただ稲川氏は「大変なことがあるだろうという覚悟を決めて(ロケット開発を)始めている。現場は前向きに、次に向かっている。モチベーションは落ちていない」とし、原因究明と次の打ち上げに向けた決意を示した。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

加州、2億ドルのEV購入支援策で自動車メーカーに同

ワールド

メキシコ、キューバへの石油供給停止へ=トランプ氏

ワールド

仏26年予算ようやく成立、2本の内閣不信任案否決で

ビジネス

マスク氏のスペースX、xAIを買収 宇宙・AI事業
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗り物から「勝手に退出」する客の映像にSNS批判殺到
  • 2
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れるアメリカ」に向き合う「日本の戦略」とは?
  • 3
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 4
    中国政府に転んだ「反逆のアーティスト」艾未未の正体
  • 5
    関節が弱ると人生も鈍る...健康長寿は「自重筋トレ」…
  • 6
    エプスタイン文書追加公開...ラトニック商務長官、ケ…
  • 7
    トランプ不信から中国に接近した欧州外交の誤算
  • 8
    世界初、太陽光だけで走る完全自己充電バイク...イタ…
  • 9
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 10
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 3
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 4
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 5
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 6
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 7
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 8
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 9
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 10
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中