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監視社会

iPhoneの個人情報を数秒でスキャン 中国企業、当局向け監視機器開発にしのぎ

2018年6月6日(水)14時31分
ロイター 

美業柏科の研究開発マネージャーZhao Jianqiang氏は、同社製品は、オンラインやスマホ上の「テロ関連や暴力的内容」を検出するために、AIを活用していると語る。例として、銃の画像や、イスラム教国の国旗によくみられる三日月と星のシンボルを同氏は挙げた。

同社では、音声ファイルを分析したり、ボイスメッセージをテキスト化したり、トルコ系言語を話すウイグル族のような少数派の言語を北京語に変換するソフトウェアも出している。

中国当局はこの2年、新彊ウイグル自治区でウイグル族や他のイスラム教少数派民族をテクノロジーを用いて追跡しており、彼らに対する治安・監視活動を強化している、と住民や人権活動家は語る。中国政府は、同地方での弾圧行動を否定している。

中国でこのような高度な監視テクノロジーが台頭したことにより、中国国民のプライバシーがほとんど失われてしまうとの懸念が人権活動家などの間で高まっている。

だが、公の場でこうした懸念が議論されることはほとんどなく、多くの市民は、個人の権利が国家の利益の下におかれている現状に甘んじている。

美業柏科の子会社XindehuiのLiu Haifeng氏は、監視技術は良いものだと考えていると言う。

「人々、特に若い人がテクノロジーなしで生活するのは不可能だ」と、Liu氏は北京で開かれたイベントで警察官の聴衆に語りかけた。したがって、容疑者が逃げようとしても「絶対に逃げ切れない」と述べた。

(翻訳:山口香子、編集:下郡美紀)

Pei Li and Cate Cadell

[北京 30日 ロイター]


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