最新記事

株式市場

トランプのアマゾン攻撃でハイテク株が下落 大統領自身が株安要因に

2018年4月5日(木)08時58分

4月2日、株式市場に関する限り、今やトランプ米大統領(写真)にとって自分自身が最大の敵と化してしまった。ウォール街で撮影(2018年 ロイター/Shannon Stapleton)

株式市場に関する限り、今やトランプ米大統領にとって自分自身が最大の敵と化してしまった。2016年の大統領選勝利以降、しばしば株高を自分の手柄のように語ってきたトランプ氏だが、2日の米国株価急落は同氏が一因になった。

投資家は、同氏の言動が株式市場にマイナスをもたらす事態が今後も続き、9年にわたる強気相場に大きな亀裂が生じる公算が大きいと警戒している。

2日に株が大きく売られたのは、トランプ氏が中国製品に500億ドル強の関税を課す方針を表明したことへの対抗措置を中国が打ち出し、両国の貿易戦争懸念が強まった上、同氏が繰り返しアマゾン・ドット・コムを批判したためだった。

シーブリーズ・パートナーズ・マネジメントのダグ・カス社長は「大統領の行動は資本市場に悪影響を及ぼし始めている。市場全体と個別銘柄の双方にだ」と語った。

とりわけ2日は投資家にとって心配な状況になった。なぜなら最近ずっと相場上昇をけん引してきたハイテク株が一段と軟化し、S&P総合500種が重要な節目を割り込んでしまったからだ。

ハイテク株値下がりのきっかけの1つが、トランプ氏のツイッターを通じたアマゾン批判。同氏は、アマゾンには不当に安い郵便料金が適用されていると主張し、具体策を示さなかったが、何らかの是正をすると約束した。

これを受けてアマゾン株が5.2%安で引け、S&P総合500種とナスダック総合を押し下げた。さらにマイクロソフトやアップル、フェイスブックといった主力ハイテク銘柄が軒並み下落した。

既にここ数週間、フェイスブックが個人情報流出問題で批判を浴びてハイテク株は動揺をきたしていた。シーポート・グローバル・ホールディングスのマネジングディレクター、トム・ディガロマ氏は、そこに別の大きな要素としてトランプ氏によるハイテクセクターのさらなる狙い撃ちが加わって、この分野全体に影を落としたとの見方を示した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米テスラ、カリフォルニア州で販売停止命令 執行は9

ワールド

カナダ、北極圏2カ所に領事館開設へ プレゼンス強化

ワールド

香港トップが習主席と会談、民主派メディア創業者の判

ワールド

今年のシンガポール成長予想、4.1%に上方修正=中
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を変えた校長は「教員免許なし」県庁職員
  • 4
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 5
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 6
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 7
    「住民が消えた...」LA国際空港に隠された「幽霊都市…
  • 8
    【人手不足の真相】データが示す「女性・高齢者の労…
  • 9
    FRBパウエル議長が格差拡大に警鐘..米国で鮮明になる…
  • 10
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 8
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 9
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 10
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中