最新記事

米朝関係

緊張緩和でも消えぬ米朝戦争の懸念 トランプ政権にくすぶる先制攻撃の声

2018年1月16日(火)17時32分

政府内の議論に詳しい人々によるこうした暴露が、北朝鮮指導部を脅かし、戦略の転換を促すための単なる心理戦争なのか、それともトランプ大統領の真剣な意図を反映したものなのかは、定かではない。

しかし、今回の南北会談や2月開催される平昌五輪を踏まえ、今後より攻撃計画に注力すべきかの米政権内の議論はその勢いを失いつつある。北朝鮮は、冬季五輪に選手団を派遣すると表明した。

北朝鮮が、外交対話の機会を利用して、米韓両国のあいだにヒビを入れようとしているだけで、真剣に交渉する意図はないと語る政府高官も複数いる。1950─53年の朝鮮戦争は平和条約ではなく停戦協定で終結したため、米韓両国と北朝鮮は厳密には、まだ戦争状態にある。

「この先どうなるか、誰にも分からない」

トランプ大統領の南北会談に対する公式反応は、おおむね好意的だが、時に懐疑的な口調も混じる。

「この先どうなるか、誰にもわからない」。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領との電話会談を終えたトランプ大統領は10日、そう記者団に語った。文大統領は、長年北朝鮮との対話を主張。首都ソウルは、大規模な軍事衝突が起きれば大きな被害を受けるとみられている。

この数カ月、正恩氏と互いに侮辱と脅迫を繰り広げてきたトランプ大統領は、11日の米紙ウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで、「おそらく非常に良い関係を築いている」と発言。

正恩氏と話したかどうかを問われると、「コメントしない。したとも、していないとも言わない」と述べ、詳細な言及を避けた。

米政権は今週、閣僚級会議を開き、経済面と軍事面で北朝鮮対応の選択肢を詰める予定だった。

だが、この会議は平昌パラリンピックの3月閉幕後に延期された。今回の南北会談や、来週カナダのバンクーバーで予定される北朝鮮問題を巡る20カ国の外相会合を踏まえた対応だという。

バンクーバーの会合は、米国主導で北朝鮮に対する国際圧力の強化を目指すもので、昨年11月末に北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験を行った直後に米政府が開催を発表していた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

再送ウォーシュ氏、FRB議長就任前に理事ポスト着任

ワールド

トランプ氏「利下げに前向きと確信」、次期FRB議長

ビジネス

米PPI、12月は前月比0.5%上昇 5カ月ぶりの

ワールド

FRBの利下げ見送りは失策、ウォーシュ氏は議長に適
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵士供給に悩むロシアが行う「外道行為」の実態
  • 2
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    日本はすでに世界第4位の移民受け入れ国...実は開放…
  • 5
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパ…
  • 6
    日本経済を中国市場から切り離すべきなのか
  • 7
    麻薬中毒が「アメリカ文化」...グリーンランド人が投…
  • 8
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 9
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 10
    「外国人価格」で日本社会が失うもの──インバウンド…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 5
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 6
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 7
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 8
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 9
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 10
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中