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北朝鮮仮想通貨モネロ、北朝鮮の大学に流入か
1月8日、米国に拠点を置くサイバーセキュリティー会社エイリアンボルトは、仮想通貨「モネロ」の採掘コードをインストールし、採掘した通貨を北朝鮮の大学のサーバーに送る仕組みのソフトウエアを発見したと明らかにした。写真はモネロのロゴ。シンガポールで撮影(2018年 ロイター/Thomas WhiteIllustration)
米国に拠点を置くサイバーセキュリティー会社エイリアンボルトは、仮想通貨「モネロ」の採掘コードをインストールし、採掘した通貨を北朝鮮の大学のサーバーに送る仕組みのソフトウエアを発見したと明らかにした。
専門家は、国際社会の制裁下で新たな資金調達源を模索する北朝鮮にとって、仮想通貨は最善の外貨獲得手段だとみている。
このソフトの仕組みを調べたエイリアンボルトによると、ソフトは昨年12月24日に生み出されたもの。モネロの採掘にホストコンピューターを利用した上で、採掘した通貨を平壌にある金日成総合大学に送るという。
同社は発表文書で「仮想通貨は制裁で深刻な打撃を受けた北朝鮮に資金面のライフラインを提供している可能性があり、その結果として、平壌にある複数の大学が仮想通貨に明らかな関心を示した」と分析。今回発見したソフトについては「彼らが取り組んだ最も新しい製品かもしれない」との見方を示した。
同社は、仮想通貨の採掘に使われる北朝鮮のサーバーはインターネットに接続していないとみられると指摘。オブザーバーに北朝鮮との関連を気づかせない意図がある可能性を警告した。
金日成総合大学はコメントの求めに応じていない。北朝鮮の国連代表部からもコメントは得られていない。
仮想通貨の価格サイト、コインマーケットキャップによると、モネロの時価総額は約70億ドルで世界第13位。
モネロの取引では、資金が支払いごとに発行される乱数で構成されたリンク不可能なワンタイムアドレスに送られるため、追跡されにくい。この特徴が、匿名性を重視する利用者にはビットコインよりも魅力的に映ると専門家はみている。
韓国のサイバーセキュリティー会社ESTセキュリティーのチーフアナリスト、Mun Chong-hyun氏は「国際社会の制裁下にある北朝鮮にとって、仮想通貨は現状で最善の外貨獲得手段だ。仮想通貨は追跡されにくく、複数回にわたるロンダリング(資金洗浄)が可能だ」と指摘した。