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GQの表紙では女性だけがおへそを出す

2017年12月8日(金)17時20分
メアリー・ケイ・シリング(本誌記者)

モンローを演じて下着姿

でも、ワンダーウーマンは露出度の高い衣装を着ているって? 忘れてはいけない。あれはあくまでもその役の衣装だ。

私はGQで2年近く働いた。女性有名人の広報担当者はGQの編集者(男女問わず)から、できるだけ露出度の高い衣装を着せたいと頼まれていた。セクシーじゃない女性なんて、男性読者には何の価値もないとでもいうように。

GQの表紙で最も悲しいものの1つは、女優ミシェル・ウィリアムズの下着姿だ。彼女は映画『マリリン7日間の恋』でマリリン・モンローを演じ、アカデミー賞主演女優賞にノミネートされた。その素晴らしい演技に関するインタビュー記事が掲載された号だが、モンローを思わせる表紙写真にはこんな文句が添えられている。「ミシェル・ウィリアムズがこんな体の持ち主だって知ってた?」

セックスシンボルとしてのみ見られ、真面目に評価されることのなかったモンローを演じたウィリアムズが、同じような扱いを受けるとはなんという皮肉。モンローの死後50年以上がたって、一体何が変わったのか。

今では昔ながらのセクシーさに頼らず、男性の押し付けるイメージに迎合しなくても、成功している女優も多い。ワンダーウーマンにおへそを出させるのは、もういいかげんにやめるべきだろう。

<本誌2017年12月5日号特集「セクハラは#MeTooで滅ぶのか」より転載>

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