最新記事

認知症

サッカーのヘディングで認知症に? 元イングランド代表キャプテンが不安を告白

2017年11月24日(金)18時50分
松丸さとみ

アラン・シアラーは自分が認知症になる可能性があるのか検査を受けた image:BBC

シアラーが認知症診断を受診

サッカーのヘディングで認知症の危険性が高まる可能性をめぐり、イングランドのサッカー代表チームでかつてキャプテンを務めたアラン・シアラーが、認知症を抱える元サッカー選手たちを守るよう関係団体に訴えている。

シアラーは、英国公共放送BBCが放映したドキュメンタリー番組「Alan Shearer: Dementia, Football and Me」(アラン・シアラー:認知症、サッカー、そして私)に出演。自分が認知症になる可能性があるのか、脳のスキャンや血液検査などを受けた。BBCのスポーツ・サイトに掲載された検査の様子を伝えるビデオによると、シアラーの脳は全く異常がなかったとのことで、まずは一安心だ。

というのもデイリー・ミラーによると、シアラーはかつて現役時代、1日に最高で150回ものヘディングの練習を行なってきた。プレミア・リーグでシアラーが記録したゴール260回のうち、5回に1回はヘディングだったという。


2002年にはヘディングによる認知症の死亡例

サッカーのヘディングと認知症はかねてから関係性が指摘されてきた。イングランドの元サッカー選手、ジェフ・アストルが2002年1月に59歳で亡くなった時、検死官により結論づけられた死因は慢性外傷性脳症だった。「度重なるヘディングで脳に受けた損傷」が原因で認知症となり、これは職業病だと検死官に指摘された。ヘディングが原因の認知症で死亡したと公的に認められた最初の英国人サッカー選手となった。

アストルは生前、サッカー・ボールのヘディングはまるで「レンガが詰まった袋」をヘディングするかのようだと表現していた、とテレグラフは当時の記事で伝えている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

FRB理事候補ミラン氏、政権からの利下げ圧力を否定

ワールド

ウクライナ安全保証、26カ国が部隊派遣確約 米国の

ビジネス

米ISM非製造業指数、8月は52.0に上昇 雇用は

ビジネス

米新規失業保険申請、予想以上に増加 労働市場の軟化
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...地球への衝突確率は? 監視と対策は十分か?
  • 2
    「よく眠る人が長生き」は本当なのか?...「睡眠障害」でも健康長寿な「100歳超えの人々」の秘密
  • 3
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 4
    「生きられない」と生後数日で手放された2本脚のダ…
  • 5
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 6
    【クイズ】世界で2番目に「農産物の輸出額」が多い「…
  • 7
    世論が望まぬ「石破おろし」で盛り上がる自民党...次…
  • 8
    「あのホラー映画が現実に...」カヤック中の男性に接…
  • 9
    SNSで拡散されたトランプ死亡説、本人は完全否定する…
  • 10
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 1
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 2
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動【note限定公開記事】
  • 3
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 4
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 5
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 6
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 7
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 8
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 9
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...…
  • 10
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマ…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を呼びかけ ライオンのエサに
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 9
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 10
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中