最新記事

銃乱射事件

テキサス銃乱射男は、幼い息子の頭をかち割っていた

2017年11月7日(火)19時20分
クリスタル・ヘイエス

妻の家族が信者だから教会を狙った疑いも Texas Department of Safety/REUTERS

<小さな町の教会で銃を乱射し子供を含む26人を殺した男の転落>

テキサス州の小さな町にある教会で11月5日、銃を乱射して子どもを含む26人を殺害した男は無神論者で、犯行は別居中の妻の家族を狙ったものだった可能性がある。報道によると、犠牲者には容疑者の妻の祖母も含まれているという。

警察は、デビン・パトリック・ケリー容疑者の経歴や、日曜礼拝を狙って犯行に及んだ理由について、引き続き捜査中だ。しかし、容疑者の人物像や、考えうる動機が明らかになりつつある。容疑者は、離婚歴や、仕事を解雇された過去を持ち、キリスト教はくだらないと考えていた。また、空軍に勤務していたころには、妻に暴力を働いたほか、義理の息子の頭蓋骨を骨折させたこともある。

ニューヨーク・タイムズ紙によると、容疑者の元同級生ニーナ・ローザ・ナヴァはフェイスブックに「(容疑者は)神の存在を信じる人たちを常にバカ呼ばわりし、無神論を説いていた」と投稿している。

ケリーが悲観的で異常な投稿を繰り返していたため、ナヴァを含むほかの友人は、彼を友達から削除したという。しかし捜査当局は、今回の銃撃事件のきっかけになったのは、ケリーの宗教的思想ではなく家庭の事情のようだと述べた。

空軍の検察官だったドン・クリステンセン元大佐は、サンアントニオ・エキスプレス・ニュース紙に対し、ケリーの最初の結婚は2012年に終わったと述べた。ケリーは当時空軍で勤務していたが、妻を殴打し、幼い義理の息子の頭蓋骨を骨折させて軍法会議にかけられたあと離婚したのだ。ケリーは12カ月拘束されたという。

ケリーの転落はそこから始まる。

信心深かった妻

2014年にはコロラド州で、動物虐待容疑で起訴された。犬に飛び乗って頭を連打した、と近隣住民が通報したためだ。また、ハスキーの子犬を地面に叩き付けて自分のキャンピングカーまで引きずっていったという別の近隣住民の証言もある。

同年にケリーは、ダニエル・リー・シールズと再婚したが、幸せな結婚生活は長く続かなかった。2017年までには別居しており、妻の母親の携帯電話に脅迫メッセージを送っていたと、テキサス州公安局の広報担当者フリーマン・マーティンは述べている。

ケリーがサザーランドスプリングスにあるファースト・バプティスト教会を狙ったのは、妻の家族がその教会の信者だからではないか、と捜査当局はみている。妻の履歴書から、彼女が4年前から同教会で幼児を対象に教えており、多くのボランティア活動にも従事していることがわかる。

シールズの家族の大半は、5日の日曜礼拝に参列していなかった。しかし、祖母だけはその場におり、ほかの25人とともに犠牲になったと家族はCNNに語っている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ブチャ虐殺から4年、EU外相ら現地訪問 支援再確認

ワールド

中国、EU議員団の8年ぶり訪中を歓迎 関係安定化に

ワールド

イスラエル、レバノン南部に緩衝地帯設置へ 国防相表

ワールド

ゴールドマン、26年末の金価格予想を5400ドルに
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
2026年4月 7日号(3/31発売)

国際基準の情報開示や多様な認証制度──本当の「持続可能性」が問われる時代へ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引、インサイダー疑惑が市場に波紋
  • 3
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 4
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 5
    アリサ・リュウの自由、アイリーン・グーの重圧
  • 6
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 7
    初の女性カンタベリー大主教が就任...ウィリアム皇太…
  • 8
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 9
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反…
  • 10
    ビートルズ解散後の波乱...「70年代のポール・マッカ…
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 3
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 4
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」…
  • 5
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 6
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 7
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 8
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 9
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 10
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 6
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 7
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中