最新記事

中国政治

南シナ海で橋頭堡の建設進める中国 より強硬に領有権主張も

2017年11月2日(木)17時44分

10月31日、中国政府が南シナ海で、密かにさらなる建設や埋め立てを進めていることが最近の衛星写真で判明した。写真はベトナムが支配するスプラトリー島。10月7日撮影 Planet Labs提供(2017年 ロイター)

中国政府が南シナ海で、密かにさらなる建設や埋め立てを進めていることが最近の衛星写真で判明した。同国が今後、この海域でより強硬に領有権を主張する可能性が高いと、外交筋や軍事筋は分析している。

世界の関心が北朝鮮に集まり、中国政府が24日閉幕した共産党大会の開催に注力するなかで、南シナ海における領有権を巡る緊張はここ数カ月、大きなニュースになることはなかった。

だが領有権問題は全く解決していない。また、ロイターが確認した最新の衛星写真では、中国がベトナムなどと領有権を争う西沙(英語名・パラセル)諸島の北島と趙述(ツリー)島で施設の開発を進めていることが明らかになった。こうした点を踏まえれば、この重要な通商路は依然として世界紛争の「発火点」になり得ると専門家は指摘する。

中国は今後数カ月内に、南沙(スプラトリー)諸島の飛行場に戦闘機を初配備すると予想する専門家もいる一方で、この地域を担当する軍事関係者は、中国がすでに新しく建設した施設を利用し、海軍や沿岸警備隊の派遣範囲を東南アジアの広範な海域に拡大していると指摘。

「中国はこれらの大規模な施設を建設しており、同国の民間及び人民解放軍の専門家はいつも、戦略的に適切な時が来たら、こうした施設はフル活用されると明確に述べてきた」。米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)で中国安全保障問題を担当するボニー・グレイザー氏はそう語る。

「中国が南シナ海でより強力に自国の国益を主張し始めるのは、時間の問題であり、そのタイミングは、中国が決めるだろう」と、同氏は指摘した。

一方、中国と同海域の領有権を争うベトナムも、スプラトリー諸島にある同国基地で行っていた埋め立て作業と滑走路の延長が完成に近づきつつあることが、衛星写真から判明した。

嵐の後の静けさ

スプラトリー諸島で進む大規模な建設工事は、習近平政権がその1期目に高めてきた南シナ海における領有権主張を象徴するものであり、習主席は10月に行われた共産党大会での演説でこの点を強調した。

「南シナ海の島や岩礁で行ってきた建設には、著しい進展があった」と、習主席は共産党大会で語った。

ニュース速報

ワールド

アングル:米下院選、陰謀論「Qアノン」信奉者が当選

ワールド

米コロナ感染者、先週は24%増の48.5万人超 死

ワールド

ドバイ空港、今年は旅客70%減の可能性=CEO

ワールド

米政府、早期のコロナワクチンに公的医療保険を適用へ

MAGAZINE

特集:ドイツ妄信の罠

2020-11・ 3号(10/27発売)

良くも悪くも日本人が特別視する国家・ドイツ──歴史問題や政治、経済で本当に学ぶべき点は

人気ランキング

  • 1

    女性との握手拒否で帰化認定が無効になった ドイツ

  • 2

    世界が騒いだ中国・三峡ダムが「決壊し得ない」理由

  • 3

    中国が極超音速ミサイルを配備、「能力の無駄遣い」と環球時報

  • 4

    ボイジャー2号が太陽系外の星間物質の電子密度の上昇…

  • 5

    毎年ネットで「三峡ダム決壊!」がバズる理由

  • 6

    新型コロナウイルスは糖尿病を引き起こす? 各国で…

  • 7

    決壊のほかにある、中国・三峡ダムの知られざる危険性

  • 8

    アメリカ大統領選挙、ラストベルトもトランプ離れ …

  • 9

    中国はトランプ再選を願っている

  • 10

    中国政府のウイグル人弾圧をめぐって、国連で再び各…

  • 1

    世界が騒いだ中国・三峡ダムが「決壊し得ない」理由

  • 2

    スリランカが日本支援のライトレール計画を中止したのは......

  • 3

    決壊のほかにある、中国・三峡ダムの知られざる危険性

  • 4

    中国のネットから消された「千人計画」と日本学術会…

  • 5

    中国・青島市で冷凍食品から新型コロナウイルスが検…

  • 6

    インドネシア大統領ジョコ、米国の哨戒機給油要請を…

  • 7

    女性との握手拒否で帰化認定が無効になった ドイツ

  • 8

    菅首相、訪問先のインドネシアで500億円の円借款供与…

  • 9

    グアムを「州に格上げ」して中国に対抗せよ

  • 10

    新型コロナ、スウェーデンは高齢者を犠牲にしたのか

  • 1

    世界が騒いだ中国・三峡ダムが「決壊し得ない」理由

  • 2

    スリランカが日本支援のライトレール計画を中止したのは......

  • 3

    韓国ネット民、旭日旗めぐりなぜかフィリピンと対立し大炎上に

  • 4

    日本学術会議は最後に大きな仕事をした

  • 5

    金正恩「女子大生クラブ」主要メンバー6人を公開処刑

  • 6

    習近平、中国海兵隊に号令「戦争に備えよ」

  • 7

    その数333基、世界一のダム輸出国・中国の「無責任」

  • 8

    注意喚起、 猛毒を持つふさふさの毛虫が米バージニア…

  • 9

    決壊のほかにある、中国・三峡ダムの知られざる危険性

  • 10

    中国のネットから消された「千人計画」と日本学術会…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

英会話特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
CCCメディアハウス求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
Wonderful Story
メールマガジン登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら
World Voice

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2020年10月
  • 2020年9月
  • 2020年8月
  • 2020年7月
  • 2020年6月
  • 2020年5月