最新記事

ハリウッド

セクハラプロデューサーは治療でヨーロッパに? 業界越えた大スキャンダル

2017年10月12日(木)19時10分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

被害者はさらに増える可能性

被害の告白はいまだに続いており、ワインスタインの毒牙にかかった女性は想像以上に多そうだ。

10月11日(現地時間)には、モデルから女優に転向したカーラ・デルヴィーニが自身のインスタグラムで、自分も被害者だと告白。シャネルのデザイナー、カール・ラガーフェルドの寵愛を受けるトップモデルの投稿からは、生々しい現場のやりとりが伝わってくるほどだ。

(カーラ・デルヴィーニ)


モデルの被害者も多数いるが、忘れてはならないのは、ワインスタインの妻もモデル出身ということ。

2007年、ワインスタインが2度目の結婚で結ばれた相手が、モデル出身のジョージナ・チャップマンだ。イギリス・ロンドン出身のチャップマンは2004年に共同で立ち上げたファッションブランド「マルケッサ」が人気となり、ニューヨークを代表するファッションデザイナーの1人として活躍。歌手リアーナや女優ブレイク・ライブリーがレッドカーペットで着用するドレスを提供したこともある。

事件発覚後、事実関係が把握できない、そして夫のワインスタインが無実を訴えていたことから、夫に寄り添い応援する声明を発表した。しかし、続々と発覚する被害の状況に耐えかねてか10月10日、米芸能誌ピープルに「夫のもとを去ることにした」とコメントを発表。離婚する決意を固めたようだ。

(ジョージナ・チャップマン。ワインスタインとの間に2人の子供をもうけた)


押し黙ったハリウッドの男たち

実は当初は、大物女優らが被害を告白することはなかった。なぜなら現在活躍する大物俳優・女優ともに、ハリウッドの重鎮ともいえるワインスタインの手でスターダムを駆け上がった者が多いからだ。

何か事件が起きるとSNSでメッセージを発するセレブが目につくが、今回の事件について、特にハリウッド俳優は沈黙を守っていた。自分が世話になったプロデューサーの悪行を知っていたにも関わらず黙っていたのか、という世間の疑問もあるからだ。ただ、10月10日にはアンジェリーナ・ジョリーやグウィネス・パルトローという2人の大物女優も過去に被害に遭ったことをカミングアウトするなど、周囲の圧力を感じてか少数だが俳優や、かつてワインスタインと提携していたディズニーが動きを見せた。

【参考記事】ウディ・アレン「小児性愛」疑惑を実の息子が告発

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中朝首脳が会談、戦略的な意思疎通を強化

ビジネス

デジタルユーロ、大規模な混乱に備え必要=チポローネ

ビジネス

スウェーデン、食品の付加価値税を半減へ 景気刺激へ

ワールド

アングル:中ロとの連帯示すインド、冷え込むトランプ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 2
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...地球への衝突確率は? 監視と対策は十分か?
  • 3
    「見せびらかし...」ベッカム長男夫妻、家族とのヨットバカンスに不参加も「価格5倍」の豪華ヨットで2日後同じ寄港地に
  • 4
    「よく眠る人が長生き」は本当なのか?...「睡眠障害…
  • 5
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 6
    Z世代の幸福度は、実はとても低い...国際研究が彼ら…
  • 7
    【クイズ】世界で2番目に「農産物の輸出額」が多い「…
  • 8
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 9
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 10
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シ…
  • 1
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 2
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動【note限定公開記事】
  • 3
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 4
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 5
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 6
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 7
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 8
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 9
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマ…
  • 10
    上から下まで何も隠さず、全身「横から丸見え」...シ…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 4
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 5
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 6
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 9
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 10
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中