最新記事

日本企業

世界展開進めるベンチャー、メルカリ フリマの手軽さゆえの功罪も

2017年9月6日(水)16時35分

年内の東証上場を目指すメルカリ。時価総額は今年最大の1000億円超との予想も出るなど、日本の「ユニコーン」(非上場の有望ベンチャー)企業の代表格として期待が高まっている。写真は都内で昨年9月撮影(2017年 ロイター/Issei Kato)

年内の東証上場を目指すメルカリ。時価総額は今年最大の1000億円超との予想も出るなど、日本の「ユニコーン」(非上場の有望ベンチャー)企業の代表格として期待が高まっている。スマホ上で個人同士の物品売買を仲介するフリーマーケット(フリマ)アプリの将来性が高く評価されているためだが、その手軽さゆえに、悪質な売買が発生するなど課題も少なくない。

「メルカリ中毒」も

「3分でかんたん売り買い」──。メルカリには、1日に100万品以上の新規出品があり、そのうち50%以上の取引が24時間以内に成立する。売主は、商品をスマホで撮影し、特徴や値段を書き込むだけだ。登録料や出品料は無料。個人間の売買なので消費税もかからない。

「ちょっとした空き時間にSNS感覚で気軽に使用できる」(20代女性)とスマホ世代の若者を中心に受け入れられた。2013年にサービスがスタートし、今では日本でのダウンロード数が5000万件を超え、月間流通額は100億円を上回る。

出品商品は中古衣類が中心だが、トイレットペーパーの芯や空のペットボトルなどが出品されることもある。価値がほとんどないようにみえるが、夏休みの工作用の材料として一定の「需要」があるという。

その手軽さゆえに、既存のフリマサイト上には出回らないような「商品」が出品されるようになり、「自分の周囲には需要がなくても、メルカリ上には欲しい人がいるかもしれない。捨てるのはもったいない」(小嶋佑奈さん、20代女性)と利用者が広がっていった。

出品者は、自分でモノを売ったという達成感と気軽なお小遣い稼ぎ感覚。購入者は、市場価格より安く買えるというお得感と「早い者勝ち」の焦燥感。「欲しい物が出品された時など、1日に20回近く見ていたこともある」(50代女性)と1日に何度もアプリを開く「メルカリ中毒」も少なくない。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエルがイラン再攻撃計画か、トランプ氏に説明へ

ワールド

プーチン氏のウクライナ占領目標は不変、米情報機関が

ビジネス

マスク氏資産、初の7000億ドル超え 巨額報酬認め

ワールド

米、3カ国高官会談を提案 ゼレンスキー氏「成果あれ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 6
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 7
    米空軍、嘉手納基地からロシア極東と朝鮮半島に特殊…
  • 8
    週に一度のブリッジで腰痛を回避できる...椎間板を蘇…
  • 9
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 10
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 9
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中