最新記事
テロ

バルセロナで車暴走テロ、はねられて「宙に舞う」観光客

2017年8月18日(金)14時50分
トム・オコナー

繁華街を暴走して多数をはねたワゴン車 Sergio Perez-REUTERS

<バルセロナの繁華街で発生した車暴走テロで100人超の死傷者が。テロ発生直後からISIS支持者がソーシャルメディアでテロのニュースを拡散>

観光客で賑わうバルセロナの目抜き通りを、ワゴン車が暴走して歩いていた人を次々とはねた――。スペイン・バルセロナで17日夕方に起こったテロでは、13人が死亡し、約100人が負傷した。スペイン警察はテロに関与した複数の容疑者の男を拘束して捜査している。

テロ発生から数時間後、テロ組織ISIS(自称イスラム国)の系列とされる「アマーク通信」が犯行声明を出した。「バルセロナ攻撃を実行したのは、ISISの戦士だ」と、声明は述べている。

(スペイン語で書かれたISISの犯行声明)


現地メディアによると、ワゴン車は歩行者専用となっていたバルセロナのランブラス通りを約500メートルに渡って暴走し、その間に多数の歩行者をはねた。最後は売店にぶつかって停車した。

スペインの地元紙エルパイスは、事故に遭遇した観光客の証言として「車がぶつかった歩行者や自転車に乗った人たちが次々に宙を舞った」と伝えている。

webw170818-bar02.jpg

負傷した女性を介抱する人たち Social Media-REUTERS

【参考記事】ISISによる自殺攻撃の「産業化」進む バルセロナ暴走テロ

テロ専門家のマイケル・スミスは、メッセージアプリ「テレグラム」上のISIS支持者が、今回のテロ発生から1時間程度の間に「静観」から「称賛」へと反応が変化したことを指摘する。ISISのフィリピンでの活動を伝えていたメッセージを中止し、スペインテロの詳細を伝える内容へと切り替わった。

過去スペインでは、2004年に武装勢力アルカイダの関連グループが首都マドリードの地下鉄で複数の爆弾テロを実行し、192人が死亡している。しかしイスラム過激派によるテロはそれ以降は起きていなかった。

【参考記事】失踪中のドイツ人少女 ISISメンバーとしてイラクで発見

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ブラジル大統領、G7サミットに参加へ カナダが招待

ワールド

米、対中55%関税維持 中国との合意後も「変更なし

ビジネス

米5月CPI2.4%上昇、前月からやや加速 関税措

ワールド

トランプ関税、高裁審理中は維持へ 差し止め一時停止
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
メールアドレス

ご登録は会員規約に同意するものと見なします。

人気ランキング
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラドールに涙
  • 3
    猫に育てられたピットブルが「完全に猫化」...ネット騒然の「食パン座り」
  • 4
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 5
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタ…
  • 6
    日本の女子を追い込む、自分は「太り過ぎ」という歪…
  • 7
    ふわふわの「白カビ」に覆われたイチゴを食べても、…
  • 8
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未…
  • 9
    ひとりで浴槽に...雷を怖れたハスキーが選んだ「安全…
  • 10
    50歳を過ぎた女は「全員おばあさん」?...これこそが…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中