最新記事

貿易

NAFTA再交渉開始、米国「微修正では済まない」とけん制

2017年8月17日(木)10時49分

8月16日、米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表(写真)は、カナダ、メキシコとの北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉開始に当たり、トランプ政権が「単なる微修正」で納得することはないと強調、両国に大幅な譲歩を求める姿勢を鮮明にした。写真はワシントンで撮影(2017年 ロイター/Aaron Bernstein)

米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は16日、カナダ、メキシコとの北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉開始に当たり、トランプ政権が「単なる微修正」で納得することはないと強調、両国に大幅な譲歩を求める姿勢を鮮明にした。

同代表は「多くの米国人にとってNAFTAは期待外れだった。大幅な改善が必要だとわれわれは感じている」と表明。1994年の発効以降、米製造業で70万人の雇用喪失の引き金となったと主張した。

そのうえで、域内で生産された部品をどの程度使えば完成品の関税をゼロにするかを定める「原産地規則」の基準の厳格化や米国産自動車部品の調達率引き上げを要求すると述べた。

また、紛争解決手続きについても「われわれの国家主権を尊重する必要がある」と述べ、カナダ、メキシコ両国に対する反ダンピング(不当廉売)課税の拡大を可能にする方向での変更を求める考えを示唆した。

カナダのフリーランド外相は今週、「第19条」が規定する二国間パネルによる紛争解決メカニズムについて、米国が同規定の撤廃を推し進めた場合、交渉離脱も辞さない意向を示唆している。

フリーランド氏はこの日、米国が貿易赤字削減にこだわっていることに関して「貿易黒字あるいは赤字が、通商関係が機能しているかどうかの主要な判断材料だとカナダは考えていない」と述べた。

メキシコのグアハルド経済相は、NAFTAは3カ国間の貿易を拡大する形で現代化する必要があると指摘。「全ての参加国が意義を認められなければ協定とは言えない」とした。

その後の記者会見では、3カ国の溝を埋める取り組みに着手するのは「時期尚早」との見方を示した。

再交渉の初会合は20日まで米首都ワシントンで開かれ、3カ国の提案と要求を整理することに主眼が置かれる見込み。

[ワシントン 16日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、次期FRB議長にウォーシュ氏かハセット

ビジネス

アングル:トランプ関税が生んだ新潮流、中国企業がベ

ワールド

アングル:米国などからトップ研究者誘致へ、カナダが

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、方向感欠く取引 来週の日銀
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    受け入れ難い和平案、迫られる軍備拡張──ウクライナの選択肢は「一つ」
  • 4
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 5
    【揺らぐ中国、攻めの高市】柯隆氏「台湾騒動は高市…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 8
    「前を閉めてくれ...」F1観戦モデルの「超密着コーデ…
  • 9
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 10
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 5
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 6
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 7
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 8
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 9
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 10
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中