最新記事

ブレグジット

イギリス、EU離脱後もアイルランド検問復活すべきでないと主張

2017年8月16日(水)15時52分

8月16日、英国は公表予定の文書で、欧州連合(EU)離脱後もEU加盟国のアイルランドと英領北アイルランドの国境沿いに検問所を設置すべきではないとの立場を明らかにした。写真は国境付近で7月撮影(2017年 ロイター/Clodagh Kilcoyne)

英国は16日公表予定の文書で、欧州連合(EU)離脱後もEU加盟国のアイルランドと英領北アイルランドの国境沿いに検問所を設置すべきではないとの立場を明らかにした。

北アイルランドとアイルランドの国境管理問題はEU離脱交渉で主要な争点となっており、交渉担当者らは緊張を再燃させることなく管理を強化する道筋を探る必要がある。500キロにわたる国境には現在、出入国審査や通関手続きがなく、1日約3万人が行き来する。

英政府は文書で、「物理的な国境インフラや検問所」を排除し、摩擦のない国境を求める立場を示した。また、15日に提案したEUとの新たな関税協定によってモノの自由な往来が確保されると主張した。

英政府筋は「北アイルランド国境問題については(英・EU)双方が柔軟性と想像力を発揮する必要がある」と強調。検問所の復活は「英国にとって全く受け入れられない」とした。

英政府はまた、英国とアイルランドの国民による両国間の自由な移動を可能にする共通旅行区域(CTA)の維持も要求。一方、英グレートブリテン島とアイルランド島を隔てるアイリッシュ海で通関手続きを復活させることには反対を表明した。

この文書について事前ブリーフィングを受けたアイルランド政府は、「有益で時宜にかなっている」と評価。北アイランド紛争で1998年に結ばれた和平合意を「守ることが極めて重要で、駆け引きの材料に使うべきではない」とした。

[ロンドン 16日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

訂正(3日付記事)-ユーロ圏インフレリスク、下向き

ワールド

ウクライナ首都に大規模攻撃、米ロ首脳会談の数時間後

ワールド

中国、EU産ブランデーに関税 価格設定で合意した企

ビジネス

TSMC、米投資計画は既存計画に影響与えずと表明 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 3
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸せ映像に「それどころじゃない光景」が映り込んでしまう
  • 4
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 5
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 6
    「登頂しない登山」の3つの魅力──この夏、静かな山道…
  • 7
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 8
    1000万人以上が医療保険を失う...トランプの「大きく…
  • 9
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 10
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 3
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 4
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 5
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 6
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 7
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 8
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 9
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 10
    普通に頼んだのに...マクドナルドから渡された「とん…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 4
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 7
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギ…
  • 8
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 9
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 10
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中