最新記事

米大統領

トランプ政権、就任後半年間の意外な高評価

2017年7月29日(土)17時20分
サム・ポトリッキオ(米ジョージタウン大学マコート校教授)

Carlos Barria-REUTERS

<メディアと国際世論は敵に回したが、それでも再選確率は高まっている>

ドナルド・トランプがホワイトハウスの主になってから半年。混乱と無秩序の大統領候補は混乱と無秩序の大統領になった。

トランプ政権は史上まれに見る苦難のスタートを切ったと、政治評論家は批判する。次から次へと厄介なスキャンダルに見舞われ、政策遂行能力を大きくそがれた。ロシアゲートは連日新たな広がりを見せ、さらに醜悪な様相を強めている。

米政府倫理局の局長は辞任。トランプ絡みの利益相反問題の複雑さを嘆き、現政権下のアメリカの倫理観は「お笑い草」レベルだと語った。

重大な利益相反の問題にはトランプの息子と娘婿も関係している疑いがあり、憲法上の疑念は大統領執務室のすぐそばまで迫っている。品位に欠けるトランプのツイートや公的な場での発言も大統領の権威を傷つけ、オバマケア(医療保険制度改革)の見直しやメキシコ国境の壁の建設、税制改革といった公約の多くは遅々として進まない。

就任後半年の新大統領の支持率としては、選挙なしで副大統領から昇格したジェラルド・フォードと並んで史上最低だと、反トランプ派は指摘する。フォードは当時、ウォーターゲート事件で辞任した前任者のリチャード・ニクソンに恩赦を与え、全米中の怒りを買っていた。

従ってまっとうな政治アナリストなら、トランプ政権のスタートは完全な失敗だったと結論付けるのが当然にみえる。だが、本当にそうだろうか。

私たちはトランプの急激な台頭を何度も目の当たりにしてきた。大統領選中も何度となく当選は絶望的と言われながら、そのたびにトランプは盛り返し、むしろ勢力を伸ばしてきた。

だからトランプ政権初期の成績を公平に分析するためには、1期目の大統領にとって最も重要な2つの指標に基づいて評価すべきだろう。まず、大統領選勝利の決め手となった支持層を満足させているかどうか。そして、4年後に再選される確率が高まっているかどうかだ。

【参考記事】セッションズ司法長官をクビ!にトランプ支持層が激しく動揺する理由

大統領選を今やれば勝つ

憲法上の疑念が渦巻くなかで、トランプ政権が自壊するリスクが高まっているのは事実だ。ロシアゲートをめぐる特別検察官の捜査、大統領職とビジネスとの利益相反、トランプの強烈な自己承認欲求と大統領批判を続けるメディアとの軋轢――火種はいくつもある。

だが2つの指標に照らせば、トランプは大統領として成功している。支持者は喜んでいるし、再選の確率は高まっている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

立憲民主と公明が新党結成で合意

ビジネス

日経平均は反落、過熱感解消の売り TOPIXは史上

ビジネス

午後3時のドルは158円半ばで売買交錯、けん制発言

ビジネス

米サックス・グローバル、破産融資4億ドル確保 アマ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
2026年1月20日号(1/14発売)

深夜の精密攻撃でマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ米大統領の本当の狙いは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率が低い」のはどこ?
  • 2
    「高額すぎる...」ポケモンとレゴのコラボ商品に広がる波紋、その「衝撃の価格」とは?
  • 3
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試掘の重要性 日本発の希少資源採取技術は他にも
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救っ…
  • 6
    イランの体制転換は秒読み? イラン国民が「打倒ハ…
  • 7
    鉛筆やフォークを持てない、1人でトイレにも行けない…
  • 8
    飛行機内で「マナー最悪」の乗客を撮影...SNS投稿が…
  • 9
    年始早々軍事介入を行ったトランプ...強硬な外交で支…
  • 10
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 5
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 6
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 7
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 8
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救っ…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    「高額すぎる...」ポケモンとレゴのコラボ商品に広が…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 4
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 5
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 6
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 7
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 9
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中