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ロシア疑惑

トランプ長男が公表したロシア関連メールの衝撃

2017年7月20日(木)10時20分
ベン・マティスリリー

■例えば何が解明される?
なぜトランプは、ゴールドストーン、ロシア人弁護士ナタリア・ベゼルニツカヤ、トランプJr.の3人が会った日に、クリントンを有罪にする情報をもうすぐ提供すると演説で明言したのか。トランプの娘婿で大統領上級顧問のジャレッド・クシュナーの有権者を対象としたデータ収集活動は、ロシアの支援を受けたハッカーと協力していたのか、といった疑問だ。

ただ最大の疑問は、トランプ陣営の関係者が民主党全国委員会とクリントン陣営の選挙対策責任者ジョン・ポデスタのメールのハッキングをロシア政府関係者と話し合ったのか、そしてハッキングの見返りとしてロシアに有利な政策を支援することに同意したかどうかだ。

■トランプJr.のメールはその疑問に関係しているか
ゴールドストーンはトランプJr.に、父親を支援したがっているのは不動産業界の大物アラス・アガラロフと、ロシアのユーリ・チャイカ検事総長だと伝えた。チャイカはプーチン大統領に忠実で、彼のために汚い仕事も長年やってきた。ベゼルニツカヤとは家族のつながりが、アガラロフとは仕事上の関係がある。

一方、アガラロフは、13年にモスクワで開催されたミス・ユニバースの大会でトランプと親交を深めた。今、ロシアの情報当局とトランプの選挙陣営にはどのような裏ルートがあったのかという疑問が浮上している。

本件を一言で言うなら、トランプJr.の軽率な行動のせいでトランプ陣営がアメリカと敵対する政府の高官による「支援」の申し出を受け入れたことが分かったということだ。

まだパズルのピースが全部そろったわけではない。だが、見えつつある全体像は実に醜い。

本誌7月19日発売最新号掲載☆

© 2017, Slate

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