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スバル、高速での自動運転による機能強化 20年には車線変更も

2017年6月19日(月)14時58分

6月19日、SUBARU(スバル)は、運転支援システム「アイサイト」の一部機能を向上させたと発表した。写真はスバルのロゴ、5月撮影(2017年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

SUBARU(スバル)<7270.T>は19日、運転支援システム「アイサイト」の一部機能を向上させたと発表した。

高速道路の同一車線での自動追従機能を強化した。車線の中央を維持する機能の作動範囲を時速0キロメートルから120キロ(従来は約60キロから100キロ)に拡大。これまでの白い区画線だけでなく前走車の両方をステレオカメラで認識させることにより、全車速域でアクセル、ブレーキ、ハンドルの自動制御をできるようにし運転負荷を軽減する。

従来は白い区画線のみを認識して高速道路の車線中央を走るよう制御していたが、前走車との距離が近づく渋滞などでの低速時は白線が車両に隠れて見えにくくなるため、時速60キロ以上でないと車線中央の自動走行は維持できなかった。向上した機能では、白線と前走車の映像を組み合わせて情報解析し、適切な車間距離や車速を保つよう自動で加減速して中央を走るようにハンドルを制御する。

今夏発売するスポーツワゴン「レヴォーグ」とスポーツセダン「WRX S4」に標準装備する。現行車との価格差は「数万円程度のアップ」(広報)と、10万円以下に抑える。今夏以降に国内で発売する全車種でも標準装備していく。同様の機能は日産自動車<7201.T>が「プロパイロット」という名で、高速道路の同一車線で可能な「自動運転技術」として売り出しているが、スバルは自動運転ではなく、あくまでも「運転支援機能」としてアピールするという。

アイサイトはフロントガラス上部に取り付けた2つのステレオカメラで前方を認識して車を制御、衝突回避自動ブレーキなどの機能を備えた運転支援システム。スバルは約30億円を投じて北海道・美深試験場のテストコースを改修、今年度下期に運用を始め、運転支援技術の開発を加速する。20年にはステレオカメラにミリ波レーダーとデジタルマップを追加し、高速道路での車線変更なども実現させる計画だ。

[東京 19日 ロイター]


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