最新記事

キャリア

1人の時間が必要な内向型、人と会って元気になる外向型

2017年5月25日(木)20時41分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

EzumeImages-iStock.

<オバマもアサンジもザッカーバーグも「内向型人間」。強みを活かせば、内向型でも成功できる。まずはその違いと、自分がどちらのタイプかを知ろう>

前米大統領のバラク・オバマ、ウィキリークスの創始者ジュリアン・アサンジ、サッカー選手のミヒャエル・バラック、詩人でミュージシャンのボブ・ディラン、フェイスブックの創業者マーク・ザッカーバーグ......。

これらの人物の共通点は何だろうか?

答えは――「内向型人間」。

ベルリン工科大学で言語学の博士号を取得し、コミュニケーションコーチや学者として活躍するシルビア・レーケンによれば、「才能や権力や画期的なアイデアや勇気や賢明さや魅力をもちあわせ、成功した人の多く」が内向型人間なのだという。

世の中には、内向型人間と外向型人間がいる。(異論はあるだろうが)おおざっぱに言えば、人付き合いが苦手な人と、人と関わるのが好きな人だ。

ただ、ここでレーケンが言っているのは、実は内向型人間のほうが外向型人間より優れている、ということではない。これらの人物が成功できたのは、自分の「内向性」と正面から向き合い、自分の強みを活かしてきたからだというのだ。

レーケンによれば、内向型人間は「自分は劣っている」とネガティブに思い込みがちだ。そこで、自らも内向型だという彼女は『内向型人間のための人生戦略大全』(岡本朋子訳、CCCメディアハウス)という本を書いた。

昇進、スピーチ、人脈づくり、パートナー探し、子育て、交渉事......と、人生のあらゆる場面で内向型の強みを活かすノウハウをまとめ、ドイツでベストセラーになったという。

ここでは本書から一部を抜粋し、5回に分けて転載する。第1回は「第1章 なぜ『内気』なのか」より。

◇ ◇ ◇

「内向型」か「外向型」かを知るための問い:どこからエネルギーを得ているか?


 あなたは、ストレスがたまって充電したいときにどうするか?

 答えは2つあります。1つ目は「人と会って充電する」です。私の夫はこのタイプです。疲れた日は友達と外出したり、サッカーをしたり、興味のある集会に参加したりします。こういう人は「外向型」の人です。2つ目の答えは「家にこもり、人と話をするのを避け、ひとりで充電する」です。私がこのタイプです。セミナーを開催した日の夜は、ホテルの部屋にこもり読書をします。親友と2人きりで会って、ゆっくりと話をすることもあります。3日間のセミナーが終わったら半日はひとりでゆっくりすごさないと充電できません。私は典型的な「内向型人間」です。

「内向型人間」は、刺激の多い場所にいるとエネルギーを消耗します。刺激の多い場所とは、同時にいろいろなことをしなければならない職場であったり、知らない人が大勢来たり、大音量で音楽が流れているパーティーであったりします(ヨナスもこういったパーティーは苦手です)。「内向型人間」はこういう場所にいると逃げ出したい衝動にかられます。一方「外向型人間」は刺激の多い場所が大好きです。エネルギーを得られるからです。彼らはひとりにされたり、単調な生活が続いたりすると、新たな刺激や気晴らしを求めます。たとえば図書館や病院のベッドやオフィスにひとりでいると人と話ができる場所が恋しくなります(カフェや休憩所、あるいは携帯電話やWi-fi が可能な場所を探し求めます)。ただしオフィスではとりあえず電話をしたり、インターネットを見たりすることができるので、「外向型人間」もなんとか我慢できるでしょう。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:「豪華装備」競う中国EVメーカー、西側と

ビジネス

NY外為市場=ドルが158円台乗せ、日銀の現状維持

ビジネス

米国株式市場=上昇、大型グロース株高い

ビジネス

米PCE価格指数、インフレ率の緩やかな上昇示す 個
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 4

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 5

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 6

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 7

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 10

    大谷選手は被害者だけど「失格」...日本人の弱点は「…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 9

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 10

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中