最新記事

ラグジュアリー

スイスの高級腕時計ブランドにグレーマーケットは必要悪か

2017年4月17日(月)08時29分

偽造品とは違い、グレーマーケットで販売される腕時計は、合法的な真正品であり、正当な所有者によって販売されている。だが、ブランド側は正規のネットワークで販売された腕時計以外の修理を拒んでいるため、保証書は付かないのが一般的だ。

これにより購入意欲を削がれる人もいるだろうが、より価格に敏感な他の買い手は、実際オンラインショップの利便性を好んでいるのかもしれない。こうしたショップは、古い腕時計の下取り、ローン仲介、最安値保証、独自保証や修理サービスなどで潜在顧客を誘っている。

ランドール氏によれば、顧客に迅速に商品を届けるため、ほとんどの商品は米国内で調達しているものの、ドル高のおかげもあって、欧州で有利な取引が実現する場合もあるという。

「つい先日もジャケ・ドローの素晴らしい『エクリプス』をシカゴのビジネスマンに販売したが、チューリヒから有利な条件で仕入れ、迅速に出荷することができた。仕入れ価格が非常に安かったので、顧客には、さらに2000ドル値引きを行った」とランドール氏は言い、定価2万9300ドルから22%引きでその腕時計を売ったと付け加えた。

カラチに住むサイフッラー・カズミさんは、タグ・ホイヤーカレラを「Jomashop.com」でほぼ半額で購入し、親戚にパキスタンに持ち帰ってもらった。地元店舗で調べたところ、真正品だと確認されたという。

カズミさんは、当初はこのショップの合法性を疑い、保証書が付かないことを気にしていたが、大幅な値引きの魅力には勝てなかった、と語った。

(翻訳:エァクレーレン)

[ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

オープンAI、最大1000億ドル調達目指す 評価額

ビジネス

原油先物は下落、ウクライナ和平巡る楽観で 2週続落

ワールド

ブラジル大統領、前大統領の刑期短縮法案に拒否権発動

ビジネス

武田薬品の皮膚疾患薬、後期試験で良好な結果 開発に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末路が発覚...プーチンは保護したのにこの仕打ち
  • 2
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    ゆっくりと傾いて、崩壊は一瞬...高さ35mの「自由の…
  • 6
    中国の次世代ステルス無人機「CH-7」が初飛行。偵察…
  • 7
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 8
    おこめ券、なぜここまで評判悪い? 「利益誘導」「ム…
  • 9
    9歳の娘が「一晩で別人に」...母娘が送った「地獄の…
  • 10
    円安と円高、日本経済に有利なのはどっち?
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 9
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 10
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中