最新記事

アメリカ政治

資産公開、トランプ政権幹部がリッチぞろいなのは「私欲がない証拠」?

2017年4月3日(月)19時10分
ニコラス・ロフレド

私欲がない人々? (左から)トランプ、クシュナー、バノン Carlos Barria-REUTERS

<トランプ政権幹部が莫大な資産を保有していることが資産公開でわかったが、これはホワイトハウスの言う通り本当に優秀で無私な集団である証拠なのか>

ホワイトハウスがドナルド・トランプ政権幹部の個人資産を公開し、史上最も裕福とされる政権の実情が明らかになった。

トランプとマイク・ペンス米副大統領を除く約180人の政権高官について、資産の公開が始まったのは金曜の夜だった。スティーブ・バノン首席戦略官・上級顧問や、ケリーアン・コンウェイ大統領顧問、ジャレッド・クシュナー大統領上級顧問を筆頭に、多数の高官が就任時における職歴や報酬、雇用形態、配偶者の収入、負債などの資産情報を自己申告した。政権入りに伴って売却した資産は含まれていない。


米調査報道機関プロプブリカとAP通信、米紙ニューヨークタイムズの3社は連携して開示手続きを簡素化し、土曜夜の時点で81人分の追加情報を入手。クラウド上にデータを保存できるグーグル・ドライブの一般共有フォルダを通じて誰でも情報にアクセスできるようにした。今後も追加情報は随時フォルダに同期される。

経済的成功者ばかり

以下は注目の中身だ。

右派ニュースサイト「ブライトバート」を運営していたバノンは、昨年少なくとも130万ドルを稼ぎ、保有するコンサルティング会社「バノン・ストラテジック・アドバイザー」の企業価値は500万~2500万ドル相当だった。

クシュナーと、トランプの長女で大統領補佐官に就任したイバンカ・トランプの夫妻は、クシュナー側の不動産やビジネス投資が中心の保有資産が7億4100万ドルに上る可能性がある。

米金融大手ゴールドマン・サックスの元社長兼最高責任者で、国家経済会議(NEC)委員長に就任したゲーリー・コーンの保有資産は2億3000万ドル以上。昨年の年収は4800万~7700万ドルとなっている。

大統領選中に共和党の選挙対策本部長を務めていたコンウェイは、米世論調査会社inc./WomanTrendから昨年80万ドル以上の報酬を手にした。

ラインス・プリーバス首席補佐官は、昨年共和党全国委員会(RNC)から22万5000ドルの報酬を得たが、さらに昨年と今年分のボーナスとして17万5000ドルを受け取った。RNC委員長を辞めた際も3万3000ドル以上の手当てをもらった。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

東部要衝ポクロフスクで前進とロシア、ウクライナは包

ビジネス

日経平均は反落で寄り付く、米株安の流れ引き継ぐ 

ビジネス

世界のヘッジファンド、55%が上半期に仮想通貨へ投

ワールド

米政府機関閉鎖巡り与野党の対立解消見えず、7日に1
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 4
    「これは困るよ...」結婚式当日にフォトグラファーの…
  • 5
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 6
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 7
    NY市長に「社会主義」候補当選、マムダニ・ショック…
  • 8
    「なんだコイツ!」網戸の工事中に「まさかの巨大生…
  • 9
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 10
    約500年続く和菓子屋の虎屋がハーバード大でも注目..…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 7
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 8
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 9
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 10
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中