最新記事

韓国政治

潘基文、電撃会見で大統領選不出馬を宣言 韓国政界混迷深まる

2017年2月1日(水)21時44分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

3ヵ月前、韓国ギャラップによる2016年11月第2週の世論調査では、次期大統領候補の支持率でパン・ギムン20%、ムン・ジェインともに民主前党代表19%となっており、若干であるがライバルに差をつけて1位となっており、12月もほぼ同じ互角の人気を保っていた。

ところが、パン・ギムン本人が国連事務総長の任期を終えて帰国した1月から、支持率でムン・ジェインに30%と一気に逆転されてしまった。これは一体なぜか?

「パン・ギムン先生はアイゼンハワー大統領の戦略をモデルにしたが、チェスンシルゲートが起き、全ての状況が急激に変わってしまった......」 パン・ギムンの側近はこのように語ったという。

韓国マネートゥデイによると、パン・ギムンと陣営スタッフは、共和党・民主党の両陣営から大統領候補への誘いを受けつつ、自分の政治的なスタンスを隠すことで自分の価値を高めた1950年代のアメリカ大統領アイゼンハワーをロールモデルにした。そのため、パン・ギムンは側近に「自分が帰国するまでは、どんな組織も作らず、行動を起こさないように」と何度も指示を出したという。

しかし、11月韓国の政界は激震に見舞われた。パク・クネ大統領の友人チェ・スンシルによる国政介入疑惑の発覚である。パク・クネ大統領と政権、親パク派勢力と近しい関係にあったという過去の行動が、パン・ギムンにとって足を引っぱりかねなかった。パン・ギムンは戦略を変更せざるを得なくなった。積極的に政界にコミットし、改憲を切り札として、既存の政党に捕らわれない自身を中心とした国民統合型の救国政権を樹立させるという大義名分を打ち出した。保守・進歩という既存の枠組みを取り払ったところで国民にアピールしようと考えたわけだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:値上げ続きの高級ブランド、トランプ関税で

ワールド

訂正:トランプ氏、「適切な海域」に原潜2隻配備を命

ビジネス

トランプ氏、雇用統計「不正操作」と主張 労働省統計

ビジネス

労働市場巡る懸念が利下げ支持の理由、FRB高官2人
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ関税15%の衝撃
特集:トランプ関税15%の衝撃
2025年8月 5日号(7/29発売)

例外的に低い日本への税率は同盟国への配慮か、ディールの罠か

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 3
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿がSNSで話題に、母親は嫌がる娘を「無視」して強行
  • 4
    カムチャツカも東日本もスマトラ島沖も──史上最大級…
  • 5
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 6
    オーランド・ブルームの「血液浄化」報告が物議...マ…
  • 7
    【クイズ】2010~20年にかけて、キリスト教徒が「多…
  • 8
    これはセクハラか、メンタルヘルス問題か?...米ヒー…
  • 9
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 10
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 3
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜つくられる
  • 4
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
  • 5
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 6
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 7
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから…
  • 8
    中国が強行する「人類史上最大」ダム建設...生態系や…
  • 9
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 10
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 3
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 4
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 5
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
  • 6
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜…
  • 7
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 8
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 9
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 10
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中