最新記事

音楽

プリンスの自宅兼スタジオ「ペイズリーパーク」がついに公開

2017年1月17日(火)11時00分
ライアン・ボート

Mario Anzuoni-REUTERS

<プリンスの熱烈なファンなら絶対に行きたいミネソタ州の「ペイズリーパーク」。生前のプライベートライフを垣間見ることができるほか、衣装や楽器、そして骨壷まで展示されている>(写真:昨年11月のアメリカン・ミュージック・アワードではプリンスの『パープル・レイン』が最優秀サウンドトラックを受賞した)

 昨年4月に急死したプリンスは、多くの不可解な行動で知られた。世界的な成功を収めたミュージシャンでありながら、生涯ミネソタ州に住み続けたことも、その1つだろう。

 プリンスは州都ミネアポリスに生まれ、そこから車で30分ほどの小さな町チャンハッセンにある自宅兼スタジオ「ペイズリーパーク」で死んだ。

 以来、ファンの間では、ペイズリーパークが記念館として一般公開されるのではないかという噂が絶えなかった。その噂が、ついに現実になった。

 ここまでの道のりは決して平坦ではなかった。小さな町にファンが殺到することや、交通渋滞を懸念したチャンハッセン市議会が、開館を許可することに消極的だったのだ。このため当初は、昨年10月に数日だけの限定で公開された。

【参考記事】プリンスが残したデジタル実験の軌跡

 だが結局は、市議会も地元への経済効果に気付いたようだ。ペイズリーパークは12月から、正式に一般公開が始まった。

「プリンスはずっとペイズリーパークを一般に公開したいと考えていて、積極的に準備をしていた」と、プリンスの実妹タイカ・ネルソンは語っている。「兄の生前、ここを訪れる機会に恵まれた人は数百人しかいなかった。その門戸を開くことで、世界中のファンがプリンスの世界を体験できるようになる」

 ペイズリーパークを訪れたファンは、生前のプリンスのプライベートライフの一部を垣間見ることができる。吹き抜けの大広間からレコーディングスタジオ、リハーサルルーム、映像の編集室、ライブスペースまで見どころは数多い。

 さらに「数千点」に及ぶとされる展示品には、きらびやかな衣装と数多くのトロフィー、楽器、バイク、映画のセットが含まれる。一番の驚きは、大広間のアトリウムに飾られている、プリンスの遺灰を入れた骨壷かもしれない。骨壷といっても、ペイズリーパークの形を模したかなり大きな入れ物だ。

 ペイズリーパークのチケットは3種類。一般チケット(38.50ドル)では、館内のほとんどの展示を見られる。平均的な所要時間は1時間10分。金曜日と土曜日はアフターダークチケット(60ドル)で午後6~11時に館内を回れるほか、DJ付きのパーティーに参加したり、プリンスのお宝映像を見たりできる。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

決算に厳しい目、FOMCは無風か=今週の米株式市場

ビジネス

中国工業部門企業利益、1─3月は4.3%増に鈍化 

ビジネス

米地銀リパブリック・ファーストが公的管理下に、同業

ワールド

米石油・ガス掘削リグ稼働数、22年2月以来の低水準
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ」「ゲーム」「へのへのもへじ」

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 5

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 6

    走行中なのに運転手を殴打、バスは建物に衝突...衝撃…

  • 7

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 8

    ロシア黒海艦隊「最古の艦艇」がウクライナ軍による…

  • 9

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 9

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 10

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中