最新記事

日米関係

日米首脳が真珠湾で慰霊、安倍首相「平和国家の歩み貫く」

2016年12月28日(水)10時09分

 12月27日、日米首脳は米ハワイ・真珠湾のアリゾナ記念館を慰霊のために訪問し、。安倍首相は、同地から始まった戦いが奪った全ての命に哀悼の誠をささげると述べた。アリゾナ記念館での両首脳(2016年 ロイター/Kevin Lamarque)

安倍晋三首相とオバマ米大統領は現地時間27日、米ハワイ・真珠湾のアリゾナ記念館を慰霊のために訪問した。安倍首相は訪問後の演説で、同地から始まった戦いが奪った全ての命に哀悼の誠をささげると述べるとともに、戦後に不戦の誓いを貫き、平和国家として歩んできたとし、今後も貫いていくと語った。

安倍首相はアリゾナ記念館について「私に沈黙を促す場所」と指摘。日本軍の攻撃で死亡した米軍関係者のそれぞれの人生に対し「厳粛な事実を思う時、言葉を失う」と述べた。

そのうえで「御霊安らかなれ」という思いを込めて「日本国民を代表して花を投じた」と語った。

また安倍首相は、戦後の日本の歩みに言及し、「不戦の誓いを貫いてきた。70年間、平和国家の歩みを続けてきたことに静かな誇りを持っており、これからも貫いていく」と述べた。

さらに、戦後は米国からの経済的支援で国民生活が支えられてきたと指摘し、日本の国際社会復帰に道を開いてくれたことにも謝意を表明。こうした米国人の「寛容の心」は日本人の心に深く刻まれているとした。

そのうえで安倍首相は、日米は「歴史にまれな希望の同盟」であり、そこには寛容の心がもたらした和解の力があると強調した。

また、真珠湾が世界の人々にとって、和解の象徴として記憶されることを願うと述べた。

安倍首相の演説の後、オバマ米大統領も登壇し、日米同盟はアジア太平洋における平和の礎であり、日米同盟はこれまでにないほど強固であると述べた。

今回の日米首脳の慰霊は「和解の力」を示すものだとし、「最も深い戦争の傷も、友情と持続的な平和に癒され得ることを再認識させる」と指摘した。

*写真を更新しました。

(田巻一彦 編集:山川薫)



[真珠湾(米ハワイ)/東京 28日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

元の対ドル基準値、1年3カ月ぶり高水準に 元高警戒

ワールド

米ヘリテージ財団から職員流出、反ユダヤ主義巡る論争

ワールド

トランプ氏、マドゥロ氏に退陣促す 押収石油は「売却

ワールド

ゼレンスキー氏、スムイ州住民のロシア連行を確認
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 2
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 3
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 4
    【外国人材戦略】入国者の3分の2に帰国してもらい、…
  • 5
    「信じられない...」何年間もネグレクトされ、「異様…
  • 6
    週に一度のブリッジで腰痛を回避できる...椎間板を蘇…
  • 7
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 8
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 9
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 10
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中