最新記事

韓国

パン・ギムンが韓国大統領選へ事実上の出馬表明 国内の反応は?

2016年12月21日(水)21時23分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部


救国の士になるか、政界混乱に拍車をかけるか......

 一方、パン・ギムンを迎える韓国国内の反応はさまざまだ。

「パン氏の帰国後に、大統領選挙のスケジュール、政治日程に関連する言葉をいただく機会があると信じる」と語ったのはセヌリ党のチョン・ジンソク前院内代表。国会内で記者団に「時間が経てば、パン氏と行動を共にする賛同する現職議員が相当増えると思います」とも語り、パン大統領を担ぎ出すためのグループを集めることもにおわせた。

 一方で冷ややかな反応も聞こえる。「結論として申し上げますと、過去の例を見てもそうですが、"第3地帯"は蜃気楼に過ぎないのです」と語ったのはオ・サンホ共に民主党院内代表だ。同党のムン・ジェイン前代表が大統領選の最有力候補であることを踏まえての発言だが、確かに国連事務総長として2期10年にわたって韓国政界を不在にしたパン・ギムンは、国内での地盤が脆弱な面は否定できない。

 事実、世論調査機関アルエンサーチの12月3週の次期大統領候補支持率では、ムン・ジェイン46.2%に対し、パン・ギムンは36.3%に留まっている。この状況を打破するためには、セヌリ党の反主流派や、共に民主党以外の野党と手を組むなど、支持基盤固めが求められる。

 パン・ギムンが韓国に帰国するのは1月中旬。自らが語った「国民不在の今の韓国政界」を一新できるか、それとも自身を中心にした政界再編の波に飲まれ、自ら国民不在の政治の中心となってしまうのか。今後の動きが注目される。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、次期FRB議長にウォーシュ氏かハセット

ビジネス

アングル:トランプ関税が生んだ新潮流、中国企業がベ

ワールド

アングル:米国などからトップ研究者誘致へ、カナダが

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、方向感欠く取引 来週の日銀
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    受け入れ難い和平案、迫られる軍備拡張──ウクライナの選択肢は「一つ」
  • 4
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 5
    【揺らぐ中国、攻めの高市】柯隆氏「台湾騒動は高市…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 8
    「前を閉めてくれ...」F1観戦モデルの「超密着コーデ…
  • 9
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 10
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 5
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 6
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 7
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 8
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 9
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 10
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中