最新記事

2016米大統領選

クリントン「敗因はFBIのメール問題再捜査」支援者らに語る

2016年11月14日(月)11時15分

11月12日、米大統領選の民主党候補だったヒラリー・クリントン前国務長官は、選挙戦終盤に米FBIのコミー長官が国務長官時代の私用メール問題を蒸し返したことが敗因との考えを示した。ニューヨークで9日撮影(2016年 ロイター/BRIAN SNYDER)

 米大統領選で共和党候補ドナルド・トランプ氏に敗れた民主党候補ヒラリー・クリントン前国務長官は12日、選挙資金提供者との電話会議で、選挙戦終盤に米連邦捜査局(FBI)のコミー長官が国務長官時代の私用メール問題を蒸し返したことが敗因との考えを示した。会議に参加した2人が明らかにした。

 8日の大統領選では、事前の世論調査のほぼすべてがクリントン氏の勝利を予想していた。

 関係者によると、同氏は12日の電話会議で、自身の陣営が選挙当日までの世論調査結果の推移を分析したところ、コミー長官がメール問題の再捜査を公表した10月28日付の議会宛て書簡が世論の転換点になっていたことが分かったと説明。再捜査の公表を契機に、ウィスコンシン州など中西部北部での支持が減ったと述べた。

 コミー長官は選挙直前の6日になって、再捜査の結果、クリントン氏を訴追しない方針を表明したが、クリントン氏はすでに政治的なダメージを受けていた。

 ウィスコンシン州は1984年の大統領選で共和党候補が勝利した後は民主党候補が制してきたが、クリントン氏はここで敗北。1988年の選挙後は民主党が制してきたミシガン州はまだ集計作業が続いているが、共和党が優勢とされている。

 クリントン氏は電話会議で、トランプ氏がコミー長官の発表を攻撃材料に利用したと語ったという。

 クリントン陣営は、選挙直前の1週間で支持候補を決めた有権者はクリントン氏よりもトランプ氏に投票した可能性が高いと分析した。

[ニューヨーク/ワシントン 12日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:軽飛行機で中国軍艦のデータ収集、台湾企業

ワールド

トランプ氏、加・メキシコ首脳と貿易巡り会談 W杯抽

ワールド

プーチン氏と米特使の会談「真に友好的」=ロシア大統

ビジネス

ネットフリックス、ワーナー資産買収で合意 720億
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 2
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 3
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い国」はどこ?
  • 4
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 5
    「ボタン閉めろ...」元モデルの「密着レギンス×前開…
  • 6
    左手にゴルフクラブを握ったまま、茂みに向かって...…
  • 7
    主食は「放射能」...チェルノブイリ原発事故現場の立…
  • 8
    『羅生門』『七人の侍』『用心棒』――黒澤明はどれだ…
  • 9
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 10
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 1
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 2
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 3
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 4
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 5
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 9
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 10
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中