最新記事

中国魚船

【動画】韓国海警、違法操業の中国漁船に初の機関銃700発使用

2016年11月3日(木)07時00分
ニューズウィーク日本版Web編集部

韓国海警の威嚇射撃を受ける中国魚船 YTNニュースより (c) YTN / Youtube

<中国漁船の不法操業に悩まされている韓国が、ついに機関銃の使用に踏み切った。1日、不法操業をしていた中国魚船2隻を韓国海上警察が拿捕、周囲にいた他の魚船が集まり威嚇してきたため、韓国側は機関銃700発を使用し撃退したという>

 韓国YTNなどの報道によると、1日午後、韓国の仁川沖で不法操業をしている中国魚船2隻を、韓国海上警察が発見、拿捕した。

 ところが、韓国側が拿捕した中国魚船を取り調べのために港に回航しようとしたところ、周囲にいた中国魚船約30隻が拿捕された魚船を助けようとして、海上警察の艦艇を追いかけ、体当たりするなどして妨害。海上警察は警告放送を行ったうえ、放水銃で中国魚船団を威圧した。

 しかし、中国魚船団は全くひるむところを見せず、韓国海警は、中国の船員がいない船首と船尾に向けてM60機関銃で威嚇射撃を行った。韓国側は海警の他、周辺海域から海軍の艦艇2隻とP3C哨戒機が支援に駆けつけ、暗くなった海域を照らして中国魚船を威圧。午後8時近くに中国魚船団は仲間の奪回を諦め、中国海域へ逃げ去った。

 イ・ハクボム中部海洋警備安全本部警衛は「これまでライフルや拳銃など、個人用火器のみ使用していましたが、今回初めて共用火器を使用することになりました」と語っている。

参考記事:中国漁船が韓国警備艇に故意に衝突? 韓国政府、中国大使に抗議

 韓国では先月7日、不法操業をしていた中国魚船によって、取り締まりにあたった海上警察の高速ボートが体当たりを受け沈没する事件があり、これ以降、緊急時には機関銃などの共用火器の使用が認められるようになった。海上警察は今後も不法操業する中国漁船が抵抗する場合は、機関銃などを積極的に使用する方針だという。

 一時は朴槿恵大統領と習近平国家主席による蜜月状態にあった韓国と中国だが、中国の不法魚船問題によって、関係は一気に冷え込んできている。今後も今度のような事件が続けば、両国の外交関係に大きな亀裂が入りかねない。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

訂正サムスン電子、半導体事業94%営業減益 下期は

ワールド

豪中銀副総裁、第2四半期CPI「歓迎すべき」 慎重

ビジネス

小売業販売6月は前年比+2.0%、食品値上げが押し

ワールド

ハリス氏、カリフォルニア州知事選不出馬表明 次期大
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ関税15%の衝撃
特集:トランプ関税15%の衝撃
2025年8月 5日号(7/29発売)

例外的に低い日本への税率は同盟国への配慮か、ディールの罠か

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 2
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目にした「驚きの光景」にSNSでは爆笑と共感の嵐
  • 3
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから送られてきた「悪夢の光景」に女性戦慄 「這いずり回る姿に衝撃...」
  • 4
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 5
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 6
    一帯に轟く爆発音...空を横切り、ロシア重要施設に突…
  • 7
    M8.8の巨大地震、カムチャツカ沖で発生...1952年以来…
  • 8
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 9
    「自衛しなさすぎ...」iPhone利用者は「詐欺に引っか…
  • 10
    街中に濁流がなだれ込む...30人以上の死者を出した中…
  • 1
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 2
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの習慣で脳が目覚める「セロ活」生活のすすめ
  • 3
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜つくられる
  • 4
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
  • 5
    航空機パイロットはなぜ乗員乗客を道連れに「無理心…
  • 6
    中国が強行する「人類史上最大」ダム建設...生態系や…
  • 7
    「様子がおかしい...」ホテルの窓から見える「不安す…
  • 8
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 9
    タイ・カンボジア国境で続く衝突、両国の「軍事力の…
  • 10
    中国企業が米水源地そばの土地を取得...飲料水と国家…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 4
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 5
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
  • 6
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 7
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 10
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中