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ペット犬の名は「空軍大将」、タイ次期国王の奇行の数々

2016年10月14日(金)15時05分
シボーン・オグレイディ

 タイ国民の多くは、皇太子の妹のシリントーン王女の即位を望んでいる。遊び人の皇太子と違って王女は未婚を通し、プミポン国王の様々な事業を支援しながら、王女もまた政治とは距離を置いた。

 国民が恐れているのは、皇太子がプミポン国王の遺産、特に政治に介入しなかった方針を継承する気がなさそうなことだ。タイでは14年の軍事クーデター以降、軍政が続いている。皇太子が常軌を逸した行動で、軍政ともめ事を起こすのではないかと懸念されている。

 例えば2001年、皇太子は当時のタクシン首相から豪華なスポーツカーを贈られた。今年7月には、ドイツ・ミュンヘンの空港に、ヘソ出しシャツにタイトジーンズを穿いて、上半身にはタトゥー風のペインティングを施して飛行機から降り立った。カメラマンがシャッターを切る間、人々に挨拶していたが、その余りに異様な姿で周囲を唖然とさせた。

 それが今や次期国王だ。皇太子は、喪に服すためにしばらく即位を延期するよう求めている。皇太子の国王即位に反対する人々にとっては、国王が不在の今の方がまだましなのかもしれない。

From Foreign Policy Magazine

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