マイノット米空軍基地はカナダ国境に近く、風の強い広大な平原にある。パイロットたちが操縦するのは、20世紀半ばのケーブルやプーリー(滑車)も使われている、祖父たちが操縦していたものと同じ爆撃機である。

 グレートプレーンズ地帯の数千平方マイルの地域には、核弾頭装備の弾道ミサイル150発が収められたサイロ(地下式ミサイル格納施設)が散在している。毎年春になると、空軍の職員たちは、融雪で汚れた鉄とコンクリートで作られたサイロの扉を掃除する業務に追われる。

 米国の核戦力は、25年から62年前のあいだに、競合する超大国・ソ連との軍拡競争にのめり込むなかで構築され、これまで何度となく、改修、修理、再塗装を経験してきた。11月8日の米大統領選を控えた今、こうした核戦力の将来が争点になっている。

 民主党のヒラリー・クリントン候補は、大統領就任後最初の仕事の1つとして、前回は2010年に完了した核戦力の見直しを求めることになると言う。

 一方、共和党のドナルド・トランプ候補は、長年にわたる米政策の転換に着手し、今月、5回目にして過去最大の核実験を行った北朝鮮による攻撃を抑止するため、日本や韓国といった同盟国が独自に核武装することを認めると述べている。

 カーター国防長官は26日、就任後初めてノースダコタ州のマイノット空軍基地を訪問した。カーター長官は、米国の核抑止力は安全保障の根幹であり、国防総省にとって最優先課題であると述べた。

 巡航ミサイルを搭載したB52爆撃機の前に置かれた演台で、カーター長官は「更新を進めていかなければ、これらのシステムは確実に老朽化していき、安全性、信頼性、有効性が低下していくだろう」と語った。

「実際のところ、わが国の核兵器運搬手段は、大半が当初の耐用年数を超え、もう何十年も延長されている。したがって、もはやこれらのプラットホームを交換するか維持するかという選択ではない。交換するか、それとも失うかという話なのだ」とカーター長官は言う。