最新記事

ロシア

プーチン大統領の与党下院選圧勝、2018年再選に盤石の体制

2016年9月20日(火)10時20分

 9月19日、ロシア下院選で、プーチン大統領率いる与党が圧勝した。提供写真(2016年 ロイター/Sputnik/Kremlin/Alexei Druzhinin via REUTERS)

[モスクワ 19日 ロイター] - ロシアで18日行われた下院選挙(定数450)で、プーチン大統領率いる与党・統一ロシアの得票率が76%となり、2018年の大統領選挙で4期目の再選を目指すプーチン氏は権力基盤を一段と固めた。

中央選挙管理委員会によると、開票率93%の時点で統一ロシアは343議席を獲得。かろうじて過半数を上回った前回2011年の選挙(238議席)から躍進した。内訳は比例代表で140議席、小選挙区で203議席。これにより統一ロシアは単独で憲法を改正でき、プーチン大統領の再選に道が開ける可能性がある。

このほかの政党では共産党が42議席、ロシア自由民主党(LDPR)が41議席、公正ロシアが21議席を獲得したもよう。これらの3政党は統一ロシアと歩調を合わせ、同党に対する直接的な批判は避ける傾向がある。

一方、リベラル派の野党の獲得議席はなかった。選挙前に唯一議席を持っていたドミトリー・グドコフ氏は統一ロシアの候補に敗北。「1党支配下にある議会にどのように対応していくかが今後の課題となる」と述べた。

統一ロシアにとり今回の下院での獲得議席数は16年の党の歴史のなかで最大。ドミトリー・ペスコフ大統領報道官は「(プーチン大統領に対する)圧倒的な信認が示された」としている。

ただ投票率は約48%と、前回の60%と比べて低迷。特に首都モスクワとロシア第2の都市であるサクトペテルブルクで政治に対し無関心な層が存在している可能性のほか、現政権に対する支持が後退している可能性が示された。

プーチン大統領は今回の勝利について、ウクライナ問題をめぐり欧米諸国が発動した対ロシア制裁措置によりロシア経済の減速が一段と顕著になるなかでも国の指導者に対する信認が示されたとし、「統一ロシアにとり非常に良い結果となった」と述べた。

現在63歳のプーチン氏は2018年の大統領選への出馬の意向は明らかにしていないが、同氏の陣営は今回プーチン大統領の結果を再選に向けた弾みとしたい考え。プーチン氏が次回大統領選で当選すれば任期は2024年までとなり、スターリンを除き在任期間が最も長いソ連・ロシアの指導者となる。

統一ロシアの圧勝に終わった今回の下院選について、欧州の選挙監視団は数多くの反則行為が見られたと指摘。ロイターの記者も複数回投票する有権者の姿などを目撃した。

ロシア当局者は大規模な不正行為はなかったとしている。前回2011年の下院選では選挙後に不正に対する抗議行動がモスクワで行われたことから、政府は神経を尖らせている。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

最近の急速なウォン安・円安、深刻な懸念共有=日韓対

ワールド

米戦略石油備蓄の第1弾、来週末までに供給 8600

ビジネス

日立とGEベルノバ、東南アジアで小型モジュール炉導

ワールド

米商務省、AI半導体輸出の新規則案を撤回 公表から
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製をモデルにした米国製ドローンを投入
  • 2
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切りは常軌を逸している」その怒りの理由
  • 3
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド太平洋防衛
  • 4
    有人機の「盾」となる使い捨て無人機...空の戦いに革…
  • 5
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 6
    「イラン送りにすべき...」トランプ孫娘、警護隊引き…
  • 7
    イラン攻撃のさなか、トランプが行った「執務室の祈…
  • 8
    「映画賞の世界は、はっきり言って地獄だ」――ショー…
  • 9
    『ある日、家族が死刑囚になって』を考えるヒントに…
  • 10
    ファラオが眠る王家の谷に残されていた「インド系言…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 5
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 7
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 8
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 9
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 10
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中