最新記事

ポケモンGO

クレムリンにもポケモン現る

2016年7月15日(金)15時40分
ダミアン・シャルコフ

Lehtikuva Lehtikuva-REUTERS

<先行リリースされたアメリカなどで社会現象となっている「ポケモンGO」。まだ正式にはリリースされていないロシアの中枢クレムリン近くでも珍しいポケモンが捕獲されたらしい>

 スマホ用ゲームアプリ「ポケモンGO」は、GPS機能を活用してプレイヤーが街中の様々な場所でポケモンのキャラクターを見つけて捕まえることができるゲーム。アメリカでは先週のリリース以降、爆発的なブームとなっている。

【関連記事】米で大人気の「ポケモンGO」、ISISとの前線でプレイする猛者も登場

 ロシアでも、そのリリースは来週以降になる予定だ。しかしすでに多くのユーザーが非公式にゲームをダウンロードしており、実際にポケモンの目撃情報もあることから、ロシア政府は予防的先制攻撃に出た。ポケモンを探すユーザーが、プーチン大統領の官邸近くなどに立ち入らないよう警告を発したのだ。

 発売前とはいえ、盛り上がりは凄い。今週のモスクワの雷雨もゲームのせいにされている。ポケモンのゲームやアニメの主要キャラクターのピカチュウが、電気ショック攻撃を繰り出すポケモンだからだ。ソーシャル上では多くのロシアユーザーが、ピカチュウが雷雨を起こしたと言い出し、ロシアのツイッター上ではピカチュウがトップの話題になっている。

白を切る報道官

 しかしロシア政府は、このブームを喜んでいない。今週14日、クレムリン広報官のドミトリー・ペスコフは、ポケモンGOを待ち望んでいるユーザーにクレムリンの敷地内に立ち入らないよう釘を刺した。クレムリン敷地内にもポケモンはいるのか、国営通信「ロシアの今日」の取材に対しペスコフは「自分はゲームをやっていない」のでわからない、と語った。

【関連記事】ポケモンGO、一時個人情報にフルアクセス可能だった

 だが、実はすでにクレムリン周辺でもポケモンは捕獲されていて、ニュースサイト「ライフ」の記事によると、クレムリン外壁の近くを飛ぶ翼竜のような珍しいポケモン「プテラ」など、赤の広場で3匹のポケモンを記者が捕まえている。

 クレムリンは1400年代以降、歴代皇帝やソビエト連邦の指導者の公邸として使われてきた。赤い外壁に囲まれた敷地内には、現在でもロシア大統領府として使われている宮殿の他、歴史的建造物の大聖堂、皇帝や政治的な遺産を展示して一般公開されているクレムリン博物館など様々な重要施設がある。

 ペスコフは、ここでユーザーがゲームに興じるのは好ましくないという考えだ。「クレムリンはロシア大統領の公邸でありながら(敷地内が)一般に公開されているが、この世界遺産をポケモンが訪れる理由はない」と、語った。

 アメリカでも、バージニア州のホロコースト博物館がポケモンGOユーザーの敷地内への立ち入りを禁止している。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:米レポ市場、年末の資金調達不安が後退 F

ワールド

米、台湾への武器売却承認 ハイマースなど過去最大の

ビジネス

今回会合での日銀利上げの可能性、高いと考えている=

ワールド

中国、「ベネズエラへの一方的圧力に反対」 外相が電
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 9
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 10
    【銘柄】「日の丸造船」復権へ...国策で関連銘柄が軒…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 5
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 9
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 10
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中