最新記事

イギリス

ボリス・ジョンソン英外相の嘆かわしい失言癖

2016年7月15日(金)16時00分
エリザベス・パールマン

Toby Melville-REUTERS

 イギリスのテリーザ・メイ新首相は13日、ボリス・ジョンソン前ロンドン市長を外相に任命するというサプライズ人事を発表した。ネガティブ・サプライズだ。第一報が流れると何者かが、ロンドン北部にあるジョンソンの自宅近くのゲートに大きな看板をくくり付けた――「世界へ、ごめんなさい」

 看板のそばで待ち伏せていた英スカイニュースの記者が、帰宅したジョンソンを直撃。外相になった今、海外の首脳や政治家に対する過去の失言について謝罪をする用意があるかどうかを問いただした。「アメリカのオバマ大統領を筆頭に、謝らなければならない相手が何人かいますよね」

 ジョンソンは4月下旬、オバマは「一部ケニア人」だから「大英帝国を毛嫌いする」、イギリスに対して偏見を持っている、と英紙のコラムに書いた。ジョンソンは「前にも言った通り、アメリカ合衆国は列の先頭だ」と答えて家に入った。バラク・オバマ米大統領が以前、もしEUを離脱したら通商交渉でもイギリスは最後尾になる、と言ったことを受けたもの。

首相から逃げた?

 ジョンソンは過去にも問題発言を繰り返している。2007年11月には、ヒラリー・クリントンを「精神病棟にいそうなサディスティックな看護師」になぞらえて酷評。2005年には、国際社会における中国の影響力について次のように述べた。「中国は我々の脅威ではない。中国が世界を支配することなどあり得ないし、赤ん坊の頃から北京語(中国語)を教え込む必要なんてない」

 ドイツのフランク・ワルター・シュタインマイヤー外相は14日、ドイツの大学で演説をし、EU離脱派のリーダーで次期首相と目されていたのに保守党党首選への出馬を断念したジョンソンについて「EU離脱が決まった途端に逃げ出した、無責任な政治家」とこき下ろした。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

MAGA派グリーン議員、トランプ氏発言で危険にさら

ビジネス

テスラ、米生産で中国製部品の排除をサプライヤーに要

ビジネス

米政権文書、アリババが中国軍に技術協力と指摘=FT

ビジネス

エヌビディア決算にハイテク株の手掛かり求める展開に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生まれた「全く異なる」2つの投資機会とは?
  • 3
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃度を増やす「6つのルール」とは?
  • 4
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 5
    レアアースを武器にした中国...実は米国への依存度が…
  • 6
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 7
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 8
    反ワクチンのカリスマを追放し、豊田真由子を抜擢...…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 10
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中