最新記事

タックスヘイブン

パナマ文書、中国の現状を解剖する

2016年4月7日(木)20時00分
遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)

6.賈慶林(元チャイナ・ナイン、党内序列ナンバー4、2002年~2012年):孫娘の李紫丹がオフショア会社1社を所有。

7.薄熙来(元中共中央政治局委員、2007年~2012年):妻の谷開来がフランスの弁護士(Patrick Henri Devillers)とともにオフショア会社を利用してフランスに別荘を買い、2000年からは代理人を通してオフショア会社を開設していた。

8.胡耀邦(元中共中央総書記、1982年~1987年):三男の胡徳華がオフショア会社1社の董事長で株主。

9.毛沢東(建国の父!):孫の娘婿・陳東升がオフショア会社1社の董事長で株主。

 これらを一つ一つ説明すると、一冊の本になるくらい膨大な文字数となる。そこで今回はまず、以前から噂されている李鵬の娘と習近平の姉夫婦に関してのみ論じる。それ以外は、時間が取れれば、徐々に解説していこうかと思う。

李鵬の娘・李小琳

 2014年1月1日、中国のネット空間に「2013年度 中国人クズランキング」が現れた。筆者はさすがに「クズ」という言葉を使うのがはばかれ、「ワースト」と置き換えて、2014年4月に『中国人が選んだワースト中国人番付――やはり紅い中国は腐敗で滅ぶ』(小学館新書)を出版した。

 その「クズランキング」の3位に挙げられていたのが電機業界を一手に牛耳る李小琳だ。

 李小琳は、88年から98年まで国務院総理(首相)だった李鵬の娘である。李鵬は1989年6月4日の天安門事件では、民主化を訴える若者たちに容赦ない武力鎮圧を指示した強硬派。

 その娘の李小琳は父親の利権をのうのうと受け継いで、その後、「国際電力国際発展有限公司」の董事長、「中国電力新能源(エネルギー源)発展有限公司」の董事長、「澳門(マカオ)電力」の理事、「香港中資企業協会」執行理事、「中国電力企業聯合会」常務理事、「中国工商理事会常務理事」など、中国の五大電力会社のほとんどを牛耳っている。当然ながら巨額の賄賂が動いているはずだ。そのためクズランキング3位の地位を獲得したと言っていい。

 それ以外にも李小琳にはスキャンダルがつきまとっていた。

 ことの発端は、中国大富豪の一人である「東方集団」の総裁・張宏偉が元駐米代表の部下(姓は趙)を、2009年12月にアメリカで起訴したことから始まる。これは財政部長を巻き込んだ大変な事件へと発展していくが、裁判の過程で明らかになった事実を、裁判をずっと傍聴してきたイギリスの"The Telegraph"が、2013年10月10日にスクープした。それは、スイスのチューリッヒ保険会社(Zurich Insurance)の中国事業参入に関して、趙のクラスメートだった李小琳が絡み、かつ不正な賄賂が動いたというものだ。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

米国防長官、イラン作戦の目標「変わらず」 議会に追

ワールド

EU首脳会議、ハンガリーがウクライナ融資阻止 オル

ビジネス

中国人民銀、最優遇貸出金利据え置き 10カ月連続

ビジネス

エネ価格高騰、長期化ならインフレ加速・成長鈍化リス
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 ──「成功」が招く自国防衛の弱体化
  • 4
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 5
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 6
    原油高騰よりも米国経済・米株市場の行方を左右する…
  • 7
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 8
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 9
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 10
    トランプ暴走の余波で加熱するW杯「ボイコット論」..…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 5
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 6
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 9
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在…
  • 10
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったの…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中