最新記事

朝鮮半島

北朝鮮が核実験前に平和協定交渉を提案、非核化が含まれず米国は拒否

金正恩は核実験や大陸間弾道ミサイルの準備を進めつつ、戦争終結の交渉を持ちかけていた──

2016年2月22日(月)18時39分

2月21日、米国務省のジョン・カービー報道官は、朝鮮戦争を正式に終結させる平和協定締結のための交渉を北朝鮮が提案してきたが、拒否したことを明らかにした。写真は19日KCNA提供(2016年 ロイター)

 米国務省のジョン・カービー報道官は21日、朝鮮戦争を正式に終結させる平和協定締結のための交渉を北朝鮮が提案してきたが、拒否したことを明らかにした。同報道官はその理由として、提案内容に「朝鮮半島の非核化」が含まれていなかったためと説明した。

 ウォールストリート・ジャーナル紙がこれより先、北朝鮮による核実験前にオバマ政権が同国との平和協定締結交渉入りに秘密裏に合意していたと報道したことに対し、同報道官が声明を発表した。

 同紙は米政府高官の話として、オバマ政権は北朝鮮が核兵器削減に向けた措置をとらない限りいかなる和平交渉にも応じないとしてきた従来の方針を変更し、交渉の一環として核兵器開発プログラムを取り上げるよう北朝鮮に求めたと報じた。北朝鮮がこの要求を拒否し、1月6日に核実験に踏み切ったため、平和協定締結交渉は実現しなかったという。

 同報道官は電子メールの形で声明を発表し、「平和協定締結交渉を提案したのは北朝鮮側だということをはっきりさせておく。われわれは提案内容を熟考し、そうした協議には朝鮮半島の非核化が条件となるべきとの見解を明確にした。北朝鮮は我々の返答を受け入れなかった。北朝鮮からの提案に対するわれわれの対応は、非核化が焦点だという従来からの立場と一致している」と説明した。

  

[ワシントン 21日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

米軍が「麻薬密売船」攻撃、太平洋側で初 2人死亡=

ビジネス

NY外為市場=英ポンド下落、ドルは対円で小幅安

ビジネス

テスラ、四半期売上高が過去最高 税控除終了前の駆け

ワールド

「貿易システムが崩壊危機」と国連事務総長、途上国へ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺している動物は?
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 6
    汚物をまき散らすトランプに『トップガン』のミュー…
  • 7
    国立大卒業生の外資への就職、その背景にある日本の…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 9
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 10
    やっぱり王様になりたい!ホワイトハウスの一部を破…
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 5
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 6
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 9
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 10
    TWICEがデビュー10周年 新作で再認識する揺るぎない…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中