最新記事

2016米大統領選

共和党候補者TV討論会でルビオ議員苦戦、ライバルからの厳しいけん制で

トランプ氏の対抗馬となる可能性が後退、新たな有力候補者が浮上するか?

2016年2月9日(火)10時31分

2月7日、6日にABCニュースが主催した米大統領選の共和党候補者によるテレビ討論会で、マルコ・ルビオ上院議員はライバル候補の厳しいけん制を受けて苦戦した。写真は同討論会で演説する同氏。ニューハンプシャー州マンチェスターで6日撮影(2016年 ロイター/Carlo Allegri)

 6日にABCニュースが主催した米大統領選の共和党候補者によるテレビ討論会で、マルコ・ルビオ上院議員はライバル候補の厳しいけん制を受けて苦戦した。党指名獲得への第2戦となる9日のニューハンプシャー州の予備選挙で、不動産王ドナルド・トランプ氏の有力な対抗馬となる可能性が後退し、他の候補が浮上する余地を与える結果となった。

 討論会の冒頭、ニュージャージー州のクリスティー知事から1期目の議員で経験が浅いことを批判されたルビオ氏は、かねて街頭演説で使ってきたお決まりの文言を繰り返すしかなく、前回までの滑らかな口調とは対照的に、初めて動揺した居心地の悪い表情をみせた。

 ルビオ氏は反論したものの、クリスティー知事に「それが問題だ。大統領であれ、知事であれ、暗記した30秒のセリフを語るだけでは何の解決にもならない」と切り返された。

 後半、態勢を立て直したとはいえ、3日後に予備選を控えたタイミングで印象を悪化させた影響は大きい。同じく共和党主流派で、経験豊富な政治家であるクリスティー氏や、元フロリダ州知事のジェブ・ブッシュ氏、オハイオ州知事のジョン・ケーシック氏の3候補が勢いづく可能性がある。

 これまでトランプ氏首位独走のあおりを受けてきた3候補だが、ニューハンプシャー州で何とか浮上する機会をうかがっている。世論調査ではトランプ氏がリード、2位がルビオ氏、3位がテッド・クルーズ上院議員となっている。

 この日のブッシュ氏は洗練され、多くの党主流派が望みを託すのにふさわしい候補者という語り口だった。ただ問題は、おそらく遅きに失したことだろう。

 ケーシック氏は同州の予備選の結果次第で撤退するとみられているが、同州の共和党有権者が好むとみられる前向きなメッセージを送った。同州の有権者は投票直前まで態度を決めず、またアイオワ州の党員集会の結果(クルーズ氏が勝利)に左右されないことで知られる。

 

[マンチェスター(米ニューハンプシャー州) 7日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ユーロ圏インフレは当面2%程度、金利は景気次第=ポ

ビジネス

ECB、動向次第で利下げや利上げに踏み切る=オース

ビジネス

ユーロ圏の成長・インフレリスク、依然大きいが均衡=

ビジネス

アングル:日銀、追加利上げへ慎重に時機探る 為替次
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 2
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末路が発覚...プーチンは保護したのにこの仕打ち
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    ゆっくりと傾いて、崩壊は一瞬...高さ35mの「自由の…
  • 6
    おこめ券、なぜここまで評判悪い? 「利益誘導」「ム…
  • 7
    中国の次世代ステルス無人機「CH-7」が初飛行。偵察…
  • 8
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 9
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 10
    9歳の娘が「一晩で別人に」...母娘が送った「地獄の…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 8
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 9
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 10
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中