最新記事

米大統領選

バイデン氏が米大統領選不出馬を表明、クリントン氏民主党指名争いで有利に

乱立気味の共和党に対して、民主党は早々に有力候補が絞られることに

2015年10月23日(金)10時29分

10月21日、バイデン米副大統領は2016年米大統領選の民主党候補指名争いに出馬しない意向を明らかにした。オバマ大統領(左)と会見で不出馬を表明するバイデン氏(右)。(2015年 ロイター/Carlos Barria)

 バイデン米副大統領(72)は21日、2016年米大統領選に出馬しないとの意向を表明した。有力候補になるとみられていたバイデン氏の不出馬により、民主党の候補者指名争いではヒラリー・クリントン前国務長官が抜きんでることになる。

 バイデン氏はホワイトハウスのローズガーデンで妻とオバマ大統領を伴って記者会見し、選挙運動を開始するための窓は閉じられたと述べた。

 一方、「出馬はしないが、黙っているわけではない」とし、民主党候補を支援していく方針を鮮明にした。

 その上で「共和党を敵とみなすべきではないと思う。共和党は対立する野党であり、敵ではない」と指摘。クリントン氏が先週のテレビ討論会で、敵とみなす対象として共和党を挙げたことなどをやんわりとけん制した。

 クリントン氏の広報担当者によると、バイデン氏の記者会見後にクリントン氏はバイデン氏と電話で話し、「偉大な副大統領」とたたえたほか、引き続き政治の第一線で活躍することへの期待を示したという。

 民主党の候補者指名争いをめぐっては、これでクリントン氏の主要な対立候補は民主社会主義者を名乗るバーニー・サンダース上院議員となるが、サンダース氏には支持の広がりはみられない。

 民主党のストラテジスト、バド・ジャクソン氏は「ヒラリー・クリントン氏にとっては楽な道のりとなった。大半の世論調査では、バイデン氏がいなければ彼女が一段と有利になることを示している」と述べた。

 ただ、バイデン氏の支持者がそのままクリントン氏支持に回るとは限らない。ロイターが接触したバイデン氏支持者27人のうち、15人はクリントン氏を支持するかどうかは分からないと話した。

 ダニエル・アルパート氏は、クリントン氏とサンダース氏のどちらを支持するか悩んでいると心情を吐露。クリントン氏の政策は明確性が不十分としたほか、サンダース氏が本選でどれだけうまく戦えるのか見極めたいと話した。

[ワシントン 21日 ロイター]

120x28 Reuters.gif
Copyright (C) 2015トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

パキスタンとアフガン、即時停戦に合意

ワールド

台湾国民党、新主席に鄭麗文氏 防衛費増額に反対

ビジネス

テスラ・ネットフリックス決算やCPIに注目=今週の

ワールド

米財務長官、中国副首相とマレーシアで会談へ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 3
    ニッポン停滞の証か...トヨタの賭ける「未来」が関心呼ばない訳
  • 4
    ギザギザした「不思議な形の耳」をした男性...「みん…
  • 5
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 6
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 7
    大学生が「第3の労働力」に...物価高でバイト率、過…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「リンゴの生産量」が多い国…
  • 9
    【インタビュー】参政党・神谷代表が「必ず起こる」…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 5
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 6
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 7
    メーガン妃の動画が「無神経」すぎる...ダイアナ妃を…
  • 8
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 9
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 10
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中