最新記事

軍事

ロシアで世界最先端の「ドローン軍」誕生?

軍産共同体の結成で、数百種に及ぶ国産無人機の統合が始まる

2015年5月29日(金)11時48分
ダミアン・シャルコフ

近代化計画 メドベージェフ(中央)の大統領当時からドローン開発は進む Ria Novosti-REUTERS

 ロシア軍は今後10年で、ロシア生まれの強力な戦力を手にすることになる。大量投入されるのは、数百機に及ぶ国産ドローン(無人機)だ。国営ロシアン・テクノロジーズ(ロステック)をはじめとした複数の軍需企業が、「ロシア初の包括的・組織的国産ドローン開発計画」で政府と合意したと、国営イタル・タス通信が伝えている。

 ロステックは既に昨年、爆撃機能を持つ水陸両用のドローン「チロック」を発表。一方でロシア軍は、小型の監視用ドローンの運用試験を進めていた。ロステックによれば、2016〜25年にかけ、「数百種に及ぶさまざまな性能、用途の国産ドローン」を統合する計画が進められる。製造関係者によれば、これらの大多数は短距離用だが、今後は「積載用兵器の開発が促進されるだろう」という。

2020年までに数百機の精鋭部隊を

 計画に携わる兵器企業の取締役ウラジーミル・ウェルバによれば、ドローン積載用の兵器やドローン用エンジンなどのパーツもすべて国産で開発を進めているという。軽量、全天候型の素材や、追跡を難しくするための低騒音モーターなどの製造も進められている。

 この動きは、ロシア軍の近代化計画の一環。政府は20年までに、軍備を大幅に刷新する改革を推し進めている。数百機のドローン部隊が登場することになれば、ロシア軍は一気に世界最先端の軍隊に躍り出るかもしれない。

[2015年6月 2日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ナジブ・マレーシア元首相、1MDB汚職事件で全25

ワールド

ゼレンスキー氏、トランプ氏と28日会談 領土など和

ワールド

ロシア高官、和平案巡り米側と接触 協議継続へ=大統

ワールド

前大統領に懲役10年求刑、非常戒厳後の捜査妨害など
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 4
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 5
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 6
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 7
    赤ちゃんの「足の動き」に違和感を覚えた母親、動画…
  • 8
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 9
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 10
    「時代劇を頼む」と言われた...岡田准一が語る、侍た…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 6
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 7
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 8
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 9
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 10
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中