最新記事

同性愛

エルトン・ジョンvsドルガバ「体外受精」論争

同性愛カップルの「子作り」の是非をめぐり、トップデザイナーとトップスターがボイコット合戦

2015年3月17日(火)18時08分
スネハ・シャンカル

「命は自然に」 体外授精ベビーは「人工的」と言ったドルチェ&ガッバーナにエルトン・ジョンが怒った(15/16年D&G秋冬コレクション) Alessandro Bianchi-Reuters

 世界のトップデザイナーと世界のトップスターが火花を散らしている。ドルチェ&ガッバーナ(D&G)のデザイナー、ステファノ・ガッバーナは今週、同ブランドをボイコット中のエルトン・ジョンに、お前のほうこそボイコットされてしまえ、と声を上げたのだ。

 事の発端は、同じD&Gのデザイナー、ドメニコ・ドルチェとガッバーナが、イタリアのパノラマ誌とのインタビューで、体外受精で生まれた子供は「人工的」と発言したこと。

「同性カップルの『子作り』には反対だ。伝統的な形こそが唯一の家族の在り方で、化学的な作り物や借り物の子宮などあり得ない。命は自然のままに生まれるもので、それを変えるべきではない」と言い、「子宮や精子をカタログから選ぶ」ようなもの、と批判した。

 昨年12月に長年のパートナーと同性結婚し、同じ代理母から生まれた2人の子供を持つジョンがこの発言に怒り、インスタグラムで「D&Gの服は二度と着ない」とボイコットを宣言。発言は「D&Gのファッションと同じくらい時代遅れ」と批判し、「#BoycottDolceGabbana(D&Gをボイコットせよ)」というハッシュタグで賛同を呼びかけ、ツイッターは炎上の様相を呈した。

 ガッバーナはこれに対して言論の自由で反撃。「異なる意見も尊重されるべきだ」とコメント。さらに「他人に対して寛容になれないジョンは傲慢だし哀れだ。われわれは民主主義社会に暮らしているのだから」と語った。

 これでは、ジョンの怒りはしばらく収まりそうにない。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

インド、パキスタンからの輸入や船舶入港禁止 観光客

ワールド

韓国大統領選、与党候補に金前雇用相 韓前首相も出馬

ワールド

ルーマニア大統領選、極右候補が決選投票へ 欧州懐疑

ワールド

イスラエル、ガザ攻撃拡大へ 治安閣議で承認=報道
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1位はアメリカ、2位は意外にも
  • 3
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 4
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 5
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 6
    「2025年7月5日天体衝突説」拡散で意識に変化? JAX…
  • 7
    野球ボールより大きい...中国の病院を訪れた女性、「…
  • 8
    「すごく変な臭い」「顔がある」道端で発見した「謎…
  • 9
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 10
    背を向け逃げる男性をホッキョクグマが猛追...北極圏…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 5
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 6
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 7
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 8
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 9
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 10
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中