最新記事

メディア

仏週刊紙シャルリ・エブド、アメリカで注文殺到

テロの犠牲になったフランスの風刺週刊紙、米オークションサイトでは210ドルに高騰する人気

2015年1月14日(水)15時22分
バーバラ・ハーマン

「私はシャルリ」 最新号の表紙には預言者ムハンマドが泣きながら追悼メッセージを掲げる姿が Philippe Wojazer-Reuters

 ニューヨークの書店に、先週銃撃テロに襲われたフランスの週刊風刺紙シャルリ・エブドを買いたいという注文が殺到している。マンハッタンのニューススタンド「ソーホー・ニュース・インターナショナル」は、今週発売になるテロ犠牲者12人への追悼特集号を店頭に並べたいと考えている。月曜1日だけで注文の電話が200件以上入っているからだ。

 同じくマンハッタンの「マガジン・カフェ」にも、テロ事件後、今までなかった問い合わせが突然入るようになった。1日で50〜70件、これまでに数百件の注文があったという。全米書店協会も、アメリカ各地の書店になんとかシャルリ・エブドを配本しようと奔走中だ。 

 シャルリ・エブドは最新号を300万部刷る予定だが、販売取次会社MPLの広報によると、さらに世界中から30万部の注文が入っている。そのため世界のメディアセンターであるニューヨークの書店でさえ、いつ入手できるか分からないのが現状だ。ニューヨークでこの雑誌が見られるのは、フランス語の書籍を扱うアルバティーン書店とフランス領事館の2カ所だけだという。

 シャルリ・エブドの風刺漫画は今や「表現の自由」の象徴として世界中の関心を集めている。なかでも関心の的は、イスラム教の預言者ムハンマドを皮肉ったことだろう。

 アメリカでの発売を待ちきれない人には、いつでもオークションサイトのイーベイがある。今週発売の最新号にはイーベイのオークションで1冊210ドルの値段が付いていた。13日時点でこの出品者は既に70冊を売り、31人のユーザーがウォッチリストに登録。1時間あたり40人以上がページをチェックしていた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、オバマケア補助金の2年間延長を検討=報

ワールド

元FBI長官とNY司法長官起訴、米地裁が無効と判断

ビジネス

アマゾン、インディアナ州のデータセンターに150億

ワールド

トランプ氏、ベネズエラ大統領と会談の意向 米報道
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 3
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後悔しない人生後半のマネープラン
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    「イラつく」「飛び降りたくなる」遅延する飛行機、…
  • 10
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 3
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 6
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中