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キューバ

アメリカと和解したカストロ政権の大ばくち

2015年1月14日(水)13時26分
ウィリアム・ドブソン(本誌コラムニスト)

 キューバ国内の政治状況も無関係ではない。キューバでは、カストロ時代の終わりが近づいている。ラウルは18年の引退を予定しており、後継者には現在54歳のディアスカネル第1副議長を予定しているようだ。

 近年、キューバは小規模な改革も試験的に始めている。ラウルは革命政権型の政治を脱却し、手堅い行政官による政治へ転換することを目指しているようにみえる。もしそうなら、アメリカとの和解は当然の選択だ。

 オバマの突然の発表に対する米政界の反応は、予想の範囲内のものだった。民主党の政治家たちは、ごく一部を除いてキューバとの国交正常化を支持。共和党の政治家、特に大統領選に色気を見せている面々はオバマを弱腰と非難している。独裁政権に譲歩した、というわけだ。

 しかし、本当にリスクを背負っているのはキューバ政府だろう。アメリカの敵対政策に経済成長の足を引っ張られてきたことは事実だが、国際的な孤立はカストロ体制に政治的な恩恵をもたらしてきた面もある。

 61年以降、キューバでうまくいかないことはすべて、腐敗した資本主義帝国アメリカのせいにすることができた。アメリカとの国交が正常化され、いずれ貿易も再開されればその主張は通用しなくなる。

 キューバ政府は、いよいよ結果を出すことを求められる。お手本はベトナムだろう。起業家精神に富んだベトナムは、資本主義の果実を味わいつつ、一党支配体制を維持することに成功している。

 キューバの現政権に、アメリカとの人的・経済的交流を一挙に増やしつつ、国民を怯えさせ、従順でいさせ続けるなどという芸当ができるだろうか。カストロ体制にとって、アメリカとの国交正常化は一世一代の大ばくちだ。

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