最新記事

欧州

ハンガリーが歩むウクライナ化への道

ロシア寄りの姿勢を強める政権と国民の抗議運動。その構図はウクライナそっくりだ

2014年11月28日(金)15時42分
デニス・リンチ

ロシアを巡って オルバン政権への批判も高まっている(ブダペストのデモ) Laszlo Balogh-Reuters

 このところハンガリーの首都ブダペストでは抗議運動が続いており、先週も大規模なデモが発生した。国税当局者の汚職やオルバン政権の親ロシア姿勢への反発だが、気になるのはこの国が次のウクライナになるかどうかだ。ハンガリーはEUの一員だがユーロには参加しておらず、ユーロ諸国とは一定の距離がある。欧州とロシアの新たな衝突の場になるかもしれない。

 オルバン首相はロシア寄りの姿勢を強め、それに対する市民の不満は、今年2月にウクライナのヤヌコビッチ大統領に向けられたものと重なる。親ロシアのヤヌコビッチ政権が崩壊し、欧州寄りの新政権が誕生したことがウクライナ危機を招いた。

 ハンガリーでは11月、ロシアの天然ガスパイプラインの自国部分の建設を進める法律が成立(EUは反対した)。ロシアからの融資125億ドルで原子炉2基を増設することにも合意しており、エネルギー政策のロシア依存が深まるという批判が出ている。しかもオルバンはロシアや中国の経済・政治システムを称賛してはばからないし、最近まで欧米の対ロシア制裁に異議を唱えていた。

 ハンガリーが将来、欧州の火種になるのは間違いなさそうだ。

[2014年12月 2日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏がイラン治安部隊・指導者への攻撃検討、デ

ワールド

韓国産業相が29日に訪米、関税引き上げ巡り協議

ビジネス

独政府は構造改革推進必要、企業の破綻も甘受を=IW

ビジネス

午前の日経平均は反落、利益確定売り優勢 アドテスト
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 3
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大胆な犯行の一部始終を捉えた「衝撃映像」が話題に
  • 4
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 5
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 6
    パキスタン戦闘機「JF17」に輸出交渉が相次ぐ? 200…
  • 7
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 8
    人民解放軍を弱体化させてでも...習近平が軍幹部を立…
  • 9
    またTACOった...トランプのグリーンランド武力併合案…
  • 10
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 4
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 5
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味…
  • 6
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 7
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 8
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 9
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 10
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 7
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 10
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中